アル＝アラビーヤ

アル＝アラビーヤの概要

アル＝アラビーヤ（アラビア語: قناة العربية、al-Arabiya）は、アラブ首長国連邦のドバイに本社を構える国際ニュースの衛星チャンネルです。2003年に設立され、英資本のMBCの傘下にあります。アル＝アラビーヤは、アラブ世界全体および世界中のアラブ人に広く視聴されているニュース放送として知られています。特に、同じく影響力のあるチャンネルであるアルジャジーラと並ぶ位置を占めています。

設立の背景とメディアの特色

アル＝アラビーヤは、サウジアラビア政府と企業からの多額の出資を受けており、そのためにサウジアラビアの立場を不利にする情報を避ける傾向があると評価されています。このことから、一部ではサウジ政府によって設立されたメディアと見なされることもあります。また、カタールに基盤を置くアルジャジーラの自由で多様な報道スタイルに対抗する形で立ち上げられたとの見方もあり、特にサウジ政府の警戒心から生まれたとも言われています。設立の際には、ヨルダンの元情報相の提唱が寄与し、後には『アッシャルクル・アウサト』の編集長がその役職に就任しました。

MBCのオーナーは、アル＝アラビーヤをアルジャジーラの穏健な代替と位置づけ、「CNNがFOXニュースに対して採るような主張をせず、静かに報道に徹するメディアを目指している」と発言しました。このように、アル＝アラビーヤは報道のスタンスにおいて慎重な立場を取っています。

ニュース放送の実績

米国政府の高官たちも、アラビア語テレビの出演先としてアル＝アラビーヤを選ぶことが多く、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、ホワイトハウス内で独占インタビューを行ったチャンネルでもあります。また、バラク・オバマ大統領が2008年に他のメディアに先駆けてインタビューを行ったのもこのチャンネルでした。このように、アル＝アラビーヤは重要な報道源としての地位を確立していますが、米国寄りの報道姿勢だけが目立つわけではなく、例えばイラクでの米兵の殺害事件に関する報道で非難を浴びたこともあります。

人気番組と放送スタイル

アル＝アラビーヤの人気番組には、レバノン出身の女性キャスターが政治家に直言する「パノラマ」（Banorama）があります。放送に使用される言語スタイルも特徴的で、アルジャジーラでは伝統的な文語アラビア語が主に使われますが、アル＝アラビーヤでは若干の口語アラビア語が混ざった表現が多く見られます。

日本での視聴方法

日本国内では、公式サイトである「アル＝アラビーヤ・ネット」(Alarabiya.net)を訪れれば、ライブ放送を無料で視聴することができます。また、YouTubeにも公式チャンネルがあり、高画質の生放送や録画を楽しむことが可能です。国内外で注目されるこの放送局は、アラブのニュースを広く届ける重要な役割を果たしています。

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