アレハンドロ (曲)

レディー・ガガ「アレハンドロ」解説

「アレハンドロ」（Alejandro）は、アメリカのミュージシャン、レディー・ガガの楽曲であり、2枚目のスタジオアルバム『ザ・モンスター』に収録されています。アルバムからの3枚目のシングルとしてリリースされ、ガガとレッドワンが共同で制作しました。

楽曲の背景と特徴

この楽曲は、ミディアムテンポのユーロポップとディスコ音楽の影響を受けており、ガガ自身が抱く「セックスモンスターへの恐れ」がインスピレーションの源泉となっています。ABBAやエイス・オブ・ベイスといったアーティストへのオマージュも込められており、特にエイス・オブ・ベイスからの影響は、歌、歌唱、メロディー、ビートに顕著に表れています。ガガは英語以外の言語で歌う際にアクセントをつけ、アップリフティングなメロディの中で不明瞭な発音を用いるなど、独特な表現も取り入れています。また、イタリアの作曲家ヴィットーリオ・モンティの「チャールダーシュ」のメロディも取り入れられています。

歌詞の内容は、ラテン系の男性たちから自身を守ろうとするガガの心情を描写しており、ABBAの楽曲「フェルナンド」への言及も見られます。

チャート成績

「アレハンドロ」は、公式発売前にイギリスのシングルチャートにランクインしました。ハンガリーのシングルチャートでは最高5位を獲得し、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、スウェーデンなど、各国のチャートでも上位にランクインしました。アメリカのBillboard Hot 100では、7作連続でチャート入りを果たしています。

ミュージックビデオ

概要

写真家スティーヴン・クラインが監督を務めたミュージックビデオは、2010年6月7日に公開されました。ガガは当初、俳優のデヴィッド・ウォリアムスや彼の妻であるララ・ストーンとの共演を希望していたと伝えられています。ビデオの内容について、ガガは「私とゲイの友達との純粋な友情についての歌であり、ゲイ同士が共に生きる勇気への賛美である」と説明しています。

内容の詳細

ミュージックビデオは、振付師ボブ・フォッシーのミュージカル映画『キャバレー』への賛辞として構成されています。編みタイツを履いた兵士がキャバレーで眠るシーンから始まり、男性ダンサーによる精巧なダンスが繰り広げられます。ガガは聖心を乗せた枕を持って葬列を導き、双眼鏡のようなアイピースがついた兜をかぶって玉座に座り歌います。また、下着姿で男性と性行為をシミュレーションする場面や、赤い修道女服を着てベッドに横たわるシーン、ロザリオを食べるシーンなど、挑発的な表現も含まれています。ジャンヌ・ダルクを彷彿とさせる場面では、ガガとダンサーたちが共に戦い、服を脱ぎます。最後は修道女姿でベッドに横たわったガガの顔が燃え尽きるという衝撃的な結末を迎えます。

批評

ミュージックビデオの内容は、公開当時、賛否両論を呼びました。歌手のケイティ・ペリーは、自身のTwitterで「エンターテインメントとして冒涜を使うことは、下品なジョークを言うコメディアンと同じくらい安っぽい」と批判しました。

「アレハンドロ」のミュージックビデオは、その芸術性と過激な表現によって、レディー・ガガのキャリアの中でも特に記憶に残る作品の一つとなっています。

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