アロイス・ニジガマ

アロイス・ニジガマのプロフィール

アロイス・ニジガマ（Aloÿs Nizigama）は、1966年6月18日生まれで、ブルンジ共和国からの長距離陸上競技選手です。彼はブルンジ代表として1996年のアトランタオリンピック及び2000年のシドニーオリンピックに出場した経験があります。身長168cm、体重55kgの彼は、特に10000mの競技において優れた業績を残しました。

経歴と競技生活の始まり

高校時代はスパイクを履いたことがなかったにもかかわらず、陸上競技において驚異的な才能を持っていました。彼は、デュードネ・クイゼラの飲料販売会社で働いていた際に出場した試合で、3000m・5000m・10000mの国内記録を樹立しました。この成果が日本の関係者の目に留まり、1991年にMDI（現・レオパレス21）に加入し来日しました。

日本での競技生活は、渡辺高夫監督の指導の下でスタートします。来日から4ヶ月後の1991年5月3日、織田記念5000mで初出場を果たし、13分45秒81で優勝。その後も水戸国際10000mで28分20秒84で勝利し、たちまち日本陸上界の注目を集めました。

国際舞台での活躍

1991年の世界陸上選手権東京大会では、10000mで28分03秒03を記録し、6位入賞を果たしました。続く1993年のシュトゥットガルト大会では、5000mで7位、10000mでは5位と、いずれも優れた成績を収めています。このように、彼の実力は国際的にも認められるものでした。

1995年にはMDIの経営不振により、日清食品陸上競技部に移籍し、さらなる活躍が期待されました。1996年にはアトランタオリンピックに出場し、27分33秒59を記録して4位に入賞。2000年のシドニーオリンピックでも9位という成績を残しています。

また、日本陸上競技選手権大会においても1993年から1995年にかけて数回優勝しており、国内の駅伝競走にも積極的に参加しました。1992年には国際千葉駅伝でブルンジ代表として2位に入賞するなど、さまざまな大会でその才能を発揮しました。

人物背景

ニジガマはタンザニアとの国境に近いソンガ村で、8人兄弟の末っ子として生まれました。彼の好きな日本食はハンバーグであり、渡辺監督からは「センスが良い」「真面目で手のかからない選手」と高く評価されています。

彼は、1993年に内戦によって2人の兄を失う苦難を経験しましたが、1996年には結婚を果たしました。ただし、妻は日本のビザを取得できなかったため、彼女を祖国に残さざるを得ませんでした。アトランタオリンピック後には、「自分の一部は走ることだ。祖国のために走る」と語っており、強い思いを持つ選手であることがうかがえます。

自己ベスト記録

- 3000m: 7分35秒08（1994年）
- 5000m: 13分12秒14（1993年）
- 10000m: 27分20秒38（1995年）
- ハーフマラソン: 1時間02分57秒（2001年）
- マラソン: 2時間24分35秒（2005年）

アロイス・ニジガマは、陸上競技の世界で輝かしい足跡を残し、彼の活躍は多くの人々に感動と勇気を与え続けている選手です。

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