アワーミュージック (相対性理論の曲)

相対性理論と、現代音楽作家の渋谷慶一郎によるコラボレーションシングル「アワーミュージック」は、2010年1月6日、commmonsよりリリースされました。このシングルは、渋谷慶一郎が2009年9月11日に発表したピアノソロアルバム『ATAK015 for maria』に収録されている「our music」と「sky riders」という2曲を元に制作されました。

本シングルにおける最大の特徴は、渋谷慶一郎の繊細かつ実験的なピアノ演奏に、相対性理論のティカ・αによるボーカルが加わっている点です。それにより、原曲とは異なる、新たな魅力を持つ楽曲へと変貌を遂げています。具体的には、「sky riders」と「our music」のそれぞれにボーカルが加わったバージョンと、バンド編成による演奏バージョンが収録されています。

さらに、シングルには「BLUE」という楽曲も収録されています。この曲は、イギリスの映画監督、作家、画家としても知られるデレク・ジャーマンの詩に、渋谷慶一郎が作曲した楽曲です。彼の独特の世界観と、渋谷慶一郎の音楽性が融合した、聴き応えのある1曲となっています。

また、アルバム『ATAK015 for maria』に収録されていた「sky riders」と「our music」は、本シングルではピアノとボーカルのシンプルなアレンジで収録されています。これらのバージョンは、原曲の持つ美しいメロディーと、ティカ・αの透明感のある歌声が際立つ仕上がりとなっています。

さらに、リミックスバージョンも収録されています。「BLUE strings edit feat. Hildur Guonadottir」では、アイスランド出身の作曲家ヒルドゥル・グズナドッティルが編曲に参加しており、ストリングスアレンジによる新たな魅力が加えられています。「our music remodel light remixed by alva noto」は、ドイツのテクノミュージシャン、アルヴァ・ノト（カールステン・ニコライ）によるリミックスで、独特の電子音楽的なアプローチが試みられています。

これらの楽曲は、オリコンチャートではアルバムとして扱われています。これは、シングルに収録されている楽曲の数が多く、アルバムに匹敵するボリュームであるためと考えられます。

「アワーミュージック」は、渋谷慶一郎の現代音楽的なアプローチと、相対性理論のポップセンスが見事に融合した、実験的かつ洗練された作品です。それぞれの楽曲が持つ個性を活かしつつ、全体として統一感も保たれており、リスナーに多様な音楽体験を提供しています。渋谷慶一郎のピアノと、ティカ・αのヴォーカルの組み合わせは、独特の雰囲気を醸し出し、聴く者の心を深く揺さぶる力を持っています。このシングルは、両アーティストの才能が存分に発揮された、貴重なコラボレーション作品と言えるでしょう。

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