アングロ・ウェルシュカップ

アングロ・ウェルシュカップ

アングロ・ウェルシュカップは、イングランドとウェールズのプロラグビーユニオンクラブが参加する歴史あるカップ戦です。ウェールズ語では「Cwpan Eingl-Gymreig」、英語では「Anglo-Welsh Cup」と呼ばれます。1971年に創設され、両国のトップクラブが一堂に会し、覇を競い合ってきました。

歴史と名称の変遷

この大会は、長年にわたり冠スポンサーの変更に伴ってその名称を変えてきました。特に近年の例では、2006-07シーズンからはフランス電力公社の英国子会社であるEDFエナジーがスポンサーとなり、「EDFエナジーカップ（EDF Energy Cup）」として開催されました。その後、2010-11シーズンからはイギリスの保険会社LVが新たなスポンサーとなり、「LVカップ」の名称が用いられるようになりました。2015-16シーズンは、同年に開催されたラグビーワールドカップの影響により、残念ながら大会は実施されませんでした。

大会形式

アングロ・ウェルシュカップには、イングランドのプレミアシップに所属する12クラブと、ウェールズの地域代表チームからなるケルティックリーグ（現在のプロ12）に参加する4クラブ、合わせて計16クラブが参加するのが通例です。

大会の初期には、参加16クラブを4つのプールに分け、各プール内で総当たり戦を行い、その結果に基づいて上位チームが決勝トーナメントに進出するという形式が取られていました。しかし、2010-11シーズンからは方式が変更され、グループ内での対戦ではなく、特定のプール同士（例えば第1プールと第4プール、第2プールと第3プール）がそれぞれ総当たり戦を行う形式となりました。この変更により、各チームの予選リーグにおける試合数は3試合から4試合に増加しました。予選ラウンド終了後、各プールで最も成績の良いクラブが準決勝に進出し、以降はノックアウト方式のトーナメントで優勝チームが決定されます。

歴代優勝クラブ

この権威あるカップ戦では、イングランド、ウェールズ双方の強豪クラブがトロフィーを掲げてきました。以下に、これまでの優勝クラブを記します。

1971-72 グロスター・ラグビー
1972-73 コヴェントリーRFC
1973-74 コヴェントリーRFC
1974-75 ベッドフォード・ブルース
1975-76 ゴスフォース
1976-77 ゴスフォース
1977-78 グロスター・ラグビー
1978-79 レスター・タイガース
1979-80 レスター・タイガース
1980-81 レスター・タイガース
1981-82 グロスター・ラグビー
1982-83 ブリストル・ラグビー
1983-84 バース・ラグビー
1984-85 バース・ラグビー
1985-86 バース・ラグビー
1986-87 バース・ラグビー
1987-88 ハーレクインズ
1988-89 バース・ラグビー
1989-90 バース・ラグビー
1990-91 ハーレクインズ
1991-92 バース・ラグビー
1992-93 レスター・タイガース
1993-94 バース・ラグビー
1994-95 バース・ラグビー
1995-96 バース・ラグビー
1996-97 レスター・タイガース
1997-98 サラセンズ
1998-99 ワスプスFC
1999-2000 ロンドン・ワスプス
2000-01 ニューカッスル・ファルコンズ
2001-02 ロンドン・アイリッシュ
2002-03 グロスター・ラグビー
2003-04 ニューカッスル・ファルコンズ
2004-05 リーズ・カーネギー
2005-06 ロンドン・ワスプス
2006-07 レスター・タイガース
2007-08 オスプリーズ
2008-09 カーディフ・ブルーズ
2009-10 ノーサンプトン・セインツ
2010-11 グロスター・ラグビー

※上記リストに記載された名称は当時のものです。

クラブ別優勝回数

過去の優勝回数を見ると、特にイングランドのクラブが多くのタイトルを獲得しています。

バース・ラグビー: 10回
レスター・タイガース: 6回
グロスター・ラグビー: 5回
ロンドン・ワスプス（ワスプスFC含む）: 3回
コヴェントリーRFC: 2回
ゴスフォース: 2回
ハーレクインズ: 2回
ニューカッスル・ファルコンズ: 2回
ベッドフォード・ブルース: 1回
ブリストル・ラグビー: 1回
サラセンズ: 1回
ロンドン・アイリッシュ: 1回
リーズ・カーネギー: 1回
オスプリーズ: 1回
カーディフ・ブルーズ: 1回
ノーサンプトン・セインツ: 1回

※両チーム優勝の記録はありません。

アングロ・ウェルシュカップは、イングランドとウェールズのクラブが交流し、力を試す貴重な機会を提供するとともに、多くの名勝負を生み出してきた大会として、両国のラグビーファンに親しまれています。

関連項目

プレミアシップ (ラグビー)
プロ12

（公式サイト等への外部リンク情報は省略しています）

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