アンデスの聖餐

映画『アンデスの聖餐』について

1972年10月13日、ウルグアイからチリへ向かっていた旅客機がアンデスの山中に墜落しました。この事故は「ウルグアイ空軍機571便遭難事故」として知られ、生存者たちが極限状態で生き残りをかけた壮絶な物語は、数々の映画や書籍の題材となっています。

この映画『アンデスの聖餐』は、事故発生から救出までをドキュメンタリータッチで描き出した1975年制作のブラジル映画です。監督はアルバロ・J・コバセビッチ、脚本は著名な作家マリオ・バルガス・リョサが担当しました。

事故の概要

旅客機には、ラグビーチームのメンバーとその関係者ら、合わせて45名が搭乗していました。しかし、悪天候と操縦ミスが重なり、アンデスの雪山に墜落。捜索活動は難航し、打ち切られてしまいます。しかし、奇跡的に28名が生きていました。

標高の高い雪山で食料も乏しい状況の中、生存者たちは極限状態に追い込まれます。生き残るために、彼らは亡くなった仲間たちの遺体を食料とせざるを得ませんでした。雪崩や飢餓により、更に多くの命が失われる中、2人の生存者が救助を求めて山を越える決死の行動を起こし、その結果、残りの14名が救出されました。

映画の内容

この映画は、遭難事故の発生から救出までの一連の出来事を、当時の映像資料や生存者、救助に当たった関係者へのインタビューを交えて描いています。また、事故現場を訪れる遺族の姿も捉え、悲劇の大きさを改めて感じさせます。

特に、生存者たちが死体を食料にしたという事実は、社会に大きな衝撃を与えました。映画は、この倫理的に難しい問題を正面から扱い、人間の生存本能と倫理観について観客に問いかけます。

スタッフ

監督：アルバロ・J・コバセビッチ
脚本：マリオ・バルガス・リョサ
音楽：アンジェル・パラ
日本語版制作：ザック・プロモーション

関連作品

この事故を題材にした作品は、他にもいくつか存在します。

『アンデス地獄の彷徨』
『生きてこそ』(1993年の映画)
『Alive: 20 Years Later -『生きてこそ 20年後』』
クレイ・ブレア Jr.によるノンフィクション文学作品
ピアズ・ポール・リードの生存者インタビューを元にしたドキュメンタリー小説

これらの作品も、それぞれの視点からこの悲劇を描き出しています。映画『アンデスの聖餐』は、この事故を題材にした作品の中でも、特にドキュメンタリー要素が強く、事実を忠実に再現している点が特徴と言えるでしょう。

外部リンク

アンデスの聖餐 - allcinema
* La odisea de los muñecos - IMDb（英語）

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