アントワーヌ1世 (モナコ公)

アントワーヌ1世：モナコ公、軍人としての生涯と後継者指名

アントワーヌ1世（1661年1月25日 – 1731年2月20日）は、18世紀初頭のモナコ公であり、1701年から1731年までその地位にありました。彼はルイ1世とカトリーヌ・シャルロット・ド・グラモンの長男として生まれました。

軍人としてのキャリア

アントワーヌ1世は、軍人としても活躍しました。1683年にはフランス王立歩兵連隊の中尉に任命され、翌年には大佐に昇進しています。大同盟戦争中には、フィリップスブルク包囲戦（1688年）、フルーリュスの戦い（1690年）、モンス包囲戦（1691年）、ナミュール包囲戦（1692年）といった主要な戦いに参戦し、その勇猛さを示しました。

モナコ公としての統治

1701年にモナコ公となったアントワーヌ1世は、1702年8月21日にフランス貴族のヴァランティノワ公として、高等法院でルイ14世に臣従の誓いを行いました。また、1724年には騎士に叙されています。

後継者問題とルイーズ＝イポリットの指名

アントワーヌ1世は、1688年6月13日にアルマニャック伯ルイの娘、マリー・ド・ロレーヌと結婚し、6人の娘をもうけました。しかし、男子に恵まれなかったため、ルイ14世の許可を得て、次女のルイーズ＝イポリットを次期大公とすることを決定しました。

子女

アントワーヌ1世とマリー・ド・ロレーヌの間には、以下の6人の娘がいました。

1. カトリーヌ＝シャルロット（1691年 - 1696年）
2. ルイーズ＝イポリット（1697年 - 1731年） - モナコ大公
3. エリザベート＝シャルロット（1698年 - 1702年）
4. マルグリット・カミラ（1700年 - 1758年）
5. マリー・デヴォタ（1702年 - 1703年）
6. マリー＝ポーリーヌ（1708年 - 1726年）

成人したのはルイーズ＝イポリットとマルグリット・カミラの2人でした。また、アントワーヌ1世には、数人の女性との間に庶子がおり、その中の一人であるアントワーヌ（1697年 - 1784年）は、50年以上にわたってモナコの摂政を務めました。

アントワーヌ1世は、軍人として数々の戦いに参加し、モナコ公としてはフランスとの関係を維持しながら、国家の安定に尽力しました。男子がいなかったため、娘のルイーズ＝イポリットを後継者に指名したことは、モナコの歴史において重要な出来事となりました。

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