アントン・ヘラシチェンコ

アントン・ユーリエヴィチ・ヘラシチェンコ（Anton Yuriyovych Herashchenko、ウクライナ語: Антон Юрійович Геращенко、1979年2月10日生まれ）は、ウクライナの政治家です。2014年から2019年までウクライナ最高議会議員を務め、その後、ウクライナ内務副大臣を経て、現在は内務大臣顧問として活動しています。彼は、ウクライナ東部の分離主義勢力やロシアに対する強硬な立場を鮮明にしており、その活動の中で暗殺未遂にも遭遇しています。

日本語メディアでは、ウクライナ語の発音に近い「アントン・ヘラシチェンコ」という表記のほか、ロシア語の発音に近い「アントン・ゲラシチェンコ」という表記も用いられています。

経歴

2014年、ヘラシチェンコはアルセン・アバコフがウクライナ内務大臣に就任すると、その顧問に任命されました。在任中、彼は記者団に対し、ドンバス大隊やアゾフ大隊の設立、マレーシア航空17便撃墜事件に関する説明を行いました。

同年10月26日の最高議会選挙では、人民戦線から全国区で出馬し（党内名簿順位21位）、当選を果たしました。さらに、12月には、分離主義者の情報を収集するデータベースウェブサイト「ミロトヴォレツ」の立ち上げにも関与しました。

最高議会では、法執行機関立法支援委員会の書記を務めました。彼の相談相手であったデニス・モナスティルスキーも、後に内務大臣に就任しています。

2017年1月、ウクライナ保安庁（SBU）は、ヘラシチェンコに対する暗殺計画を阻止したと発表しました。SBUは1か月以上にわたり、2人の暗殺者を監視しており、彼らが爆発物を所持して活動していたところを逮捕しました。SBUの発表によれば、これらの暗殺者たちはもともとロシア占領下のクリミア半島の刑務所に収監されていた犯罪者であり、ヘラシチェンコを暗殺するという条件で釈放されたとのことです。暗殺未遂の黒幕は、元ウクライナ市民で、ルガンスク人民共和国でウクライナと戦い、事件当時はロシアのベルゴロドに住んでいたアンドレイ・ティホノフという人物であるとされています。

2019年6月の最高議会選挙には出馬せず、議会を去りましたが、同年9月25日、内閣は彼をウクライナ内務省の副大臣（6/7名）の一人として任命しました。当時の内務大臣はアルセン・アバコフでした。

2021年7月15日にアバコフが内務大臣を辞任すると、ヘラシチェンコは新内務大臣となったデニス・モナスティルスキーの公設顧問に就任しました。しかし、同年8月4日には内務副大臣の職を解任されました。9月には、内務省内に新設された「事業保護局」の調整官に任命されました。この部門は、事業主と治安部隊の連携を促進することを目的としています。

脚注

ウィキメディア・コモンズには、アントン・ヘラシチェンコに関するカテゴリがあります。

外部リンク

アントン・ヘラシチェンコ (anton.gerashchenko.7) - Facebook
* アントン・ヘラシチェンコ - IMDb（英語）

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