アンドラの地方行政区画

アンドラの地方行政区分：7つの教区

アンドラの地方行政区分は、7つの教区（パロキア、カタルーニャ語: parròquia）から構成されています。この教区は、宗教的な意味と世俗的な意味の両方を持つ独特な行政単位です。

教区の二面性：宗教と行政

「教区」という用語は、アンドラにおいて宗教的な文脈と世俗的な文脈の両方で使用されます。宗教的な意味では、ウルヘル司教によって任命された司祭が管轄する地域を指します。一方、世俗的な意味では、地方自治や行政、つまり市民生活に関わる地域単位を指し、この意味での教区が地方行政の中核を担っています。

コムー：地方自治の心臓部

各教区の中心には、コムー（Comú）と呼ばれる地方議会兼地方行政府が存在します。コムーは、教区住民の意思を決定し、代表する機関です。教区の予算や条例はすべてコムーによって制定されます。コムーを構成する議員の数は教区によって異なり、8名から14名で、4年ごとに選挙によって選ばれます。コムーは、地方自治における重要な意思決定機関として、住民の生活に密接に関わっています。

教区以下の行政単位

教区よりも小さな行政単位として、いくつかの教区ではさらに細分化された地域区分があります。ウルディーヌ教区、ラ・マサーナ教区、サン・ジュリアー・ダ・ロリア教区ではクァルト（quart）という単位が、カニーリョ教区ではベイナト（veïnat）という単位が使用されています。これらの単位は、教区全体の行政をより効率的に行うための、より小さな地域区分と言えるでしょう。

教区の面積と人口

7つの教区の中で、面積が最も広いのはカニーリョ教区です。一方、人口が最も多いのは首都が位置するアンドーラ・ラ・ベリャ教区です。それぞれの教区は、面積、人口、そして地理的特徴において多様性を示しており、アンドラ全体の多様な地域性を反映しています。

歴史：839年から続く伝統

アンドラの教区の歴史は古く、839年のラ・セウ・ドゥルジェルの聖母教会献堂式の記録には、現在の6つの教区の名前が既に記されています。現在の7つの教区のうち、最後の1つであるエスカルデス・エンゴルダニ教区は、アンドーラ・ラ・ベリャ教区から1978年に分割されて誕生しました。これらの教区は、長い歴史の中でアンドラの政治と社会に重要な役割を果たし、今日までその伝統が受け継がれています。

まとめ

アンドラの7つの教区は、宗教的な側面と世俗的な側面を併せ持ち、地方行政の中核を担う重要な単位です。コムーを中心とした地方自治の仕組みは、住民の意思を反映した行政運営を実現し、多様な地域性を有するアンドラの社会基盤を支えています。歴史の重みと現代の行政システムが融合したアンドラの教区は、その独自の行政構造によって、国の発展に貢献しています。

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