アンナ・ヤギェロンカ (1476-1503)

アンナ・ヤギェロンカ：ポーランド王女、ポメラニア公妃の生涯

アンナ・ヤギェロンカ（1476年3月12日 - 1503年8月12日）は、ポーランド王カジミェシュ4世とエリーザベト・フォン・ハプスブルクの娘として生まれました。彼女はポメラニア公ボギスラフ10世の妃となり、その生涯をポメラニアで過ごしました。

生い立ちと結婚

アンナはニエシャバで、カジミェシュ4世とエリーザベトの五女として誕生。幼少期は家族とともにリトアニア大公国で過ごし、その後は両親と共にポーランドとリトアニア各地を旅しました。彼女の幼少期や教育に関する詳しい記録は残っていません。

父カジミェシュ4世は、アンナを神聖ローマ皇帝フリードリヒ3世の息子、マクシミリアン大公と結婚させようと試みました。1486年にはポーランドの使節がケルンに赴き、この提案について話し合い、アンナの肖像画を提示しましたが、ハプスブルク家は乗り気ではありませんでした。

その後、アンナは1490年3月7日にフロドナで、ポメラニア公ボギスラフ10世と結婚しました。この結婚は、ポーランドとポメラニアの関係を強化するための政略結婚でした。結婚式は代理人によって行われ、アンナ自身は後日ポメラニアへ向かいました。

カジミェシュ4世はアンナに持参金として32,000ハンガリー・ズウォティを与え、ボギスラフ10世は結婚祝いとしてリューゲンヴァルデ、ビャウォガルト、グライフェンベルクを贈りました。

ポメラニア公妃として

アンナは1491年1月15日ごろにポメラニアに到着し、2月2日にシュチェチンでボギスラフ10世との結婚式が盛大に行われました。当時アンナはまだ14歳でしたが、ボギスラフ10世にとっては2度目の結婚であり、ポーランドとの関係を深める重要な機会となりました。

公爵夫妻は主にシュチェチンに居を構え、ボギスラフ10世は城を改修、拡張しました。1496年12月16日から1498年4月12日まで、ボギスラフ10世が領地を離れた際、アンナも文書を携えて統治に関与していたという説もあります。

死とその後

1503年、シュチェチン市民の反乱により、ボギスラフ10世は家族をウエッカーミュンデ城に移さざるを得なくなりました。アンナはそこで末子を出産しましたが、その直後、病に倒れました。年代記作家トーマス・カンツォーは、壁の石灰が原因だとしましたが、現代の歴史家は肺炎または結核が原因である可能性を指摘しています。

アンナは1503年8月12日にウエッカーミュンデで亡くなり、グライフスヴァルトのエルデナ修道院に埋葬されました。

子女

アンナとボギスラフ10世の間には、8人の子供が生まれました。

アンナ（1492年 - 1550年） - レグニツァ公イェジ1世と結婚
ゲオルク1世（1493年 - 1531年） - ポメラニア公
カジミール（1494年 - 1518年）
ゾフィー（1498年 - 1568年） - デンマーク王フレゼリク1世と結婚
エリーザベト（1499年 - 1518年） - クルンミン女子修道院長
バルニム（1500年 - 1501年）
バルニム9世（1501年 - 1573年）
オットー（1503年 - 1518年）

アンナ・ヤギェロンカは、政略結婚によってポメラニア公妃となりましたが、その短い生涯の中で、ポメラニアとの関係強化に貢献し、多くの子供たちを育てました。彼女の生涯は、中世ヨーロッパの王侯貴族の女性の役割を物語るものと言えるでしょう。

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