アンヌ・ド・モンモランシー

アンヌ・ド・モンモランシーの生涯

アンヌ・ド・モンモランシー（Anne de Montmorency, 1493年3月15日 - 1567年11月12日）は、フランスのヴァロワ朝時代に活躍した著名な軍人である。彼は初代モンモランシー公（1551年 - 1567年）としても知られ、フランス元帥およびフランス軍総司令官を務めた。特に注目すべきは、彼が数代のフランス王に仕えたことであり、その戦歴は非常に多彩である。

生涯の概要

彼は1492年にシャンティイで生まれ、父はギヨーム・ド・モンモランシー、母はアンヌ・ポであった。彼の名前「アンヌ」は、フランスでは一般的な女性名であるが、彼は男性である。名付け親は代母のアンヌ・ド・ブルターニュであり、その影響を受けての名であると言われている。モンモランシーは若い頃から軍事に関心を持ち、1512年のラヴェンナの戦い、1515年のマリニャーノの戦い、1521年のメジエールの戦いなどで活躍し、フランス元帥に叙任された。

1525年のパヴィアの戦いで捕虜となった際には、身代金と引き換えに解放され、フランス王フランソワ1世と神聖ローマ皇帝カール5世間の重要な交渉、マドリード条約（1526年）の締結に携わっている。この結果、彼はフランソワ1世から信任を受け、その後はマドレーヌ・ド・サヴォワと結婚し、繁栄した家系を築くこととなった。

軍事的な業績と公職

1536年、カール5世のプロヴァンス侵攻から地域を守った功績により、彼は宮内大臣に任命される。しかし、1541年には国王の寵妃エタンプ夫人との対立が影響し、信任を失ってしまう。それでも、彼はその後もアンリ2世、フランソワ2世、シャルル9世といった次代の王に仕え、特にカトリーヌ・ド・メディシスを円滑に支える腹心の存在として活躍した。

ユグノー戦争においても国王側の司令官として活動し、1563年にはアンボワーズの和議の調印を助けたが、1567年のサン＝ドニの戦いで傷を負い、命を落とした。彼が残した長男フランソワがその後を継ぎ、モンモランシー公位は進行していた。

モンモランシー家は、彼の死後も続いたが、孫のアンリ2世が処刑されたことで一度は消滅する。しかし、アンリ2世の姉がコンデ公アンリ2世に嫁いだことで、家系は存続した。ブルボン朝の軍人として著名なコンデ公ルイ2世やテュレンヌはモンモランシー家の子孫である。

家族と子女

アンヌ・ド・モンモランシーは、マドレーヌ・ド・サヴォワとの結婚によって12人の子供を持った。各子供もそれぞれ重要な家系に嫁いでおり、彼の血統は歴史上のさまざまな役職を持つ貴族に広がっていった。特に注目すべきは、長男フランソワがモンモランシー公となり、さらにその子孫がさまざまな歴史的人物を生むことになる点だ。

彼の子供たちの中には、軍事的に活躍した者や、貴族と結婚しながら社会的地位を築いた者がいる。たとえば、フランソワは国王アンリ2世の庶子ディアーヌと結婚し、シャルルはフランス提督として名を馳せた。このように、アンヌ・ド・モンモランシーの家族は政治や軍事の領域において広範囲に影響を及ぼしたのである。

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