アンリ・ル・フォーコニエ

アンリ・ル・フォーコニエ（Henri Victor Gabriel Le Fauconnier, 1881年7月5日 - 1946年12月25日）は、フランスの画家であり、その多岐にわたる画風で知られています。特に、キュビスムの画家として広く認識されていますが、初期にはフォーヴィスムの影響を受けた作品も制作しています。

生涯

フランス北部のエスダン（Hesdin）で、医師の息子として生まれたル・フォーコニエは、当初法律を学ぶためにパリに出ましたが、後に美術の道に進むことを決意しました。ジャン＝ポール・ローランスのスタジオで絵画を学び始め、その後アカデミー・ジュリアンでも研鑽を積みました。1904年と1905年には、アンデパンダン展に作品を出展し、アンリ・マティスを彷彿とさせるような、大胆な色彩を用いた作品を発表しました。1907年にはブルターニュに移り、海岸の美しいプルマナックで制作活動を行いました。

1908年にパリに戻ったル・フォーコニエは、アルベール・グレーズやロベール・ドローネーといった画家たちと交流を深めました。1910年には、ワシリー・カンディンスキーに招かれ、ミュンヘン新芸術家協会のメンバーとなりました。1911年にはイタリアに旅行し、ルネサンス美術に触れました。同じ年、ギョーム・アポリネールらの呼びかけに応じて、アンデパンダン展の会場の一室を占拠し、キュビスムのデモンストレーションに参加しました。

1912年、ジャック＝エミール・ブランシュの後任として、パリの私立美術学校アカデミー・ド・ラ・パレットの校長に就任し、ジャン・メッツァンジェ、アンドレ・デュノワイエ・ド・スゴンザック、オイゲニウス・ザク、ジャン＝フランシス・オービュルタンといった画家たちを講師として迎えました。同年には、スペインで開催された初のキュビスム展にも参加し、キュビスム運動の中心的役割を担いました。

1914年、オランダのドンブルクに滞在中に第一次世界大戦が勃発しますが、ル・フォーコニエは軍務に就くことを望まず、1920年までオランダに留まりました。その後、より伝統的なスタイルへと回帰し、風景画や肖像画などを制作しました。

1946年、パリで生涯を閉じました。

作品

ル・フォーコニエの作品は、初期のフォーヴィスム的な色彩感覚と、キュビスムの幾何学的構成を融合させた独自のスタイルが特徴です。風景画、肖像画、静物画など、様々なジャンルの作品を残しており、彼の芸術的変遷を垣間見ることができます。

（作品画像の挿入を想定）

参考文献

Jules Romain, Le Fauconnier, coll. « L'art et la vie », Paris, M. Seheur, 1927.
Régis Deparis, Henri Le Fauconnier, pionnier du cubisme, Ateliergalerie éditions, 2012 (ISBN 978-2-916601-06-9).

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