アーサー・エリクソン

アーサー・エリクソン（Arthur Erickson、1924年6月14日 - 2009年5月20日）は、カナダを代表する建築家であり、都市計画家としてもその名を馳せました。ブリティッシュコロンビア大学でアジア語学を専攻した後、マギル大学で建築学の学位を取得するという異色の経歴を持っています。

エリクソンの建築作品は、その独創性と周囲の環境との調和を重視したデザインが特徴です。彼の作品は、単なる建築物ではなく、その場所の文化や歴史、そして自然と深く結びついた芸術作品として評価されています。

主な業績

1965年：サイモンフレーザー大学（バーナビー）
丘陵地に建設されたこの大学は、エリクソンの初期の代表作であり、その地形を生かしたデザインが特徴です。建物は連結され、学生が自由に移動できるように設計されています。

1970年：カナダパビリオン（大阪万博）
大阪万博のために設計されたこのパビリオンは、カナダの自然を象徴するような、ダイナミックで斬新なデザインが注目を集めました。

1971年：レスブリッジ大学ユニバーシティホール（レスブリッジ）
カナダの広大な自然に溶け込むようなデザインで、機能性と美しさを兼ね備えています。

1975年：グラハム住宅
個人住宅ながらも、その斬新なデザインが注目を集め、エリクソンの建築哲学を反映しています。

1976年：UBC人類学博物館（バンクーバー）
先住民の文化を尊重したデザインが特徴で、その展示方法と建物自体が一体となって文化を伝える空間を作り出しています。

1978年：西エグリントン駅（トロント）
都市のインフラ施設でありながら、その美しいデザインが周辺環境に調和しています。

1978年：ヨークデール駅（トロント）
駅としての機能性だけでなく、芸術性も追求したデザインが特徴です。

1979年：カナダ銀行（オタワ）
重厚感のあるデザインでありながら、その機能性も重視した建築物です。

1982年：ロイ・トムソン・ホール（トロント）
コンサートホールとしての音響性能と、美しい外観を兼ね備えた建築物です。

1984年：キングブリッジセンター（キングシティ）
商業施設としての機能性とデザイン性を両立させた建築です。

1989年：マーカム・シビックセンター（マーカム）
公共施設としての役割と、地域社会に貢献するデザインが特徴です。

1989年：コンベンションセンター（サンディエゴ、カリフォルニア）
大規模なコンベンション施設でありながら、その美しいデザインが注目を集めました。

2009年：ガラス博物館（ワシントン）
ガラスの素材を生かしたデザインが特徴で、美術館としての機能性も兼ね備えています。

2009年：RCMP歴史遺産センター（リジャイナ）
歴史的な価値を持つ建物を、現代的な技術で再生した建築物です。

2014年：バンクーバーターン（バンクーバー）
遺作となったこの建築は、バンクーバーの風景に新たな彩りを加えました。

文献

The Architecture of Arthur Erickson
Arthur Erickson: An Architect's Life by David Stouck
Arthur Erickson by Ronald Cohn Josse Russell

外部リンク

* アーサー・エリクソン設計事務所

エリクソンの作品は、その場所の特性を最大限に活かし、人々の生活空間と自然環境が調和するような建築を追求したものです。彼の作品は、カナダだけでなく世界中の建築家に大きな影響を与え続けています。建築を通して社会に貢献するという彼の情熱は、今後も多くの人々にインスピレーションを与え続けるでしょう。

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