アーサー・デマレスト

アーサー・アンドルー・デマレストについて

アーサー・アンドルー・デマレスト（Arthur Andrew Demarest）は、アメリカ合衆国の著名な考古学者であり人類学者です。特に彼は、グアテマラの古代マヤ遺跡の大規模な発掘で知られています。デマレストの研究は、マヤ文明の崩壊に関する新しい視点を提供し、世界的に注目される学者となっています。

略歴

デマレストは、1974年にテュレーン大学を卒業し、その成績が優秀であったためメダルを授与されました。その後、ハーバード大学に進学し、メソアメリカの人類学と考古学の研究を始めました。彼はゴードン・ウィリーの指導のもと、1981年に博士号を取得しました。1983年以降、彼はヴァンダービルト大学で教鞭を執り、同大学の人類学教授及びメソアメリカ考古学研究所の所長を兼任しています。

デマレストは1988年から1995年にかけて、グアテマラのペテン県ペテシュバトゥン地域での発掘を主導し、ここでの戦争の痕跡を発見しました。彼はマヤ文明の崩壊の理由として、伝統的に考えられている人口増加や農業の失敗ではなく、戦争が関与している可能性が高いと推測しました。彼の研究は、近代人類学や考古学の分野で広く受け入れられるようになっています。

その後、1999年からはカンクエンでの発掘に取り組み、2000年には巨大な宮殿を発見しました。さらに、2005年には大量虐殺の跡も見つけ、ナショナルジオグラフィックチャンネルの番組『Explorer』では「Last Days of the Maya」というタイトルでその内容が取り上げられました。

デマレストは考古学発掘において、地元のガイドを一時的に利用することを避け、地域住民がカンクエンでの観光業から持続的な利益を得られるよう取り組んでいます。2000年にはその功績が評価され、グアテマラのポップ勲章を授与され、グアテマラ・デル・バジェ大学から名誉博士号も受けました。2004年には、アメリカ人として初めてグアテマラの国家文化遺産勲章を授与されました。

エピソード

考古学者としてのデマレストの冒険は、まるで映画のようなエピソードに満ちています。彼は時に、泥の中に隠れた巨大な宮殿を発見したり、銃を持った略奪者から貴重な遺物を取り戻したりする場面に遭遇しました。これらの経験は、彼をインディアナ・ジョーンズのような存在として多くのメディアに取り上げられることとなり、考古学に対する一般の興味を一層高めました。しかしながら、このようなメディア露出には批判も寄せられていますが、彼の影響力は否定できません。

主な著書

デマレストは数々の学術著書を執筆しています。代表作には、以下のようなものがあります。

• - Viracocha: The Nature and Antiquity of the Andean High God (1981)
• - Religion and Empire: The Dynamics of Aztec and Inca Expansionism (1984, Geoffrey Conradとの共著)
• - Archaeology of Santa Leticia and the Rise of Maya Civilization (1986)
• - Ceramics and Artifacts from Excavations in the Copan Residential Zone (1997、共著)
• - Ancient Maya: The Rise and Fall of a Rainforest Civilization and Region and Empire (2005)
• - The Petexbatun Regional Archaeological Project: A Multidisciplinary Study of the Maya Collapse (2006)

デマレストの研究は、古代マヤ文明に関する理解を深める上で、今後も重要な役割を果たしていくことでしょう。

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