アーノルド・パーマー (ブランド)

アーノルド・パーマーは、アメリカのプロゴルファー、アーノルド・パーマー氏の名前を冠したアパレルブランドです。その特徴的なシンボルは、赤・黄・白・緑の4色で彩られた傘のマークであり、このマークは日本でも広く知られています。

日本では、1969年にレナウンがトータルファミリーブランドとして展開を開始しました。当時、性別や年齢層ごとにブランドが分かれているのが一般的だった日本において、アーノルド・パーマーは老若男女を対象とした初のブランドとして画期的でした。このブランドは、デザイナーではなくマーチャンダイザーによって開発されたという点も特徴的で、複数のデザイナーが関わりながらも、一貫したブランドイメージを保つことができました。傘のマークは、その後のワンポイントブームの先駆けとなり、ブランドは大成功を収めました。

しかし、ライセンス展開の拡大とともに、ブランドは飽和状態となり、大衆ブランドとしてのイメージが強まっていきました。その後、2000年代前半にブランドの復刻が行われました。レナウンの倉庫から発見された原画を元に、当時の商品を忠実に再現したところ、現代の若者の間で再び人気を博しました。ブランドイメージを刷新するため、百貨店ではなくセレクトショップを中心に販路を広げ、2014年には「アーノルドパーマー・タイムレス」として、30代のファミリー層をターゲットにした展開も開始しました。

しかし、2020年にレナウンが経営破綻。同社とのライセンス契約は終了しました。その後、同年10月には水甚が新たなライセンス契約を締結し、2021年から日本国内でのブランド展開を再開しました。水甚は2025年までに100店舗の展開を目指しており、ブランドの再興に力を入れています。

アーノルド・パーマーは、その歴史の中で、トータルファミリーブランドとしての先駆けとなり、一時は社会現象を起こすほどの人気を博しました。その後のブランド展開において、課題も経験しましたが、現代に再起をかけて新たな展開を見せています。傘のマークは、今もなお多くの人に愛され続けています。

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