イア・ドラン渓谷の戦い

イア・ドラン渓谷の戦い

イア・ドラン渓谷の戦いは、ベトナム戦争中の1965年11月14日から18日にかけて、イア・ドラン渓谷で行われたアメリカ軍と北ベトナム軍との間の戦闘です。

戦闘の経緯

1965年11月14日、アメリカ軍基地を襲撃した北ベトナム軍を追撃するため、アメリカ軍はカンボジア国境近くのイア・ドラン渓谷に、第7航空騎兵連隊の1個大隊、約450名をヘリボーンで派遣しました。

同日10時48分、最初の部隊が現地に到着し、ヘリの着陸地点（X-レイ）を確保しましたが、待ち構えていた約4000名の北ベトナム軍によって即座に全周を包囲され、戦闘開始早々に兵力と地理の両面で絶望的な状況に陥りました。

しかし、アメリカ軍は空軍の砲兵、そしてUH-1ガンシップによる濃密な支援攻撃によって、包囲されながらも壊滅を免れ、X-レイを防衛し、増援と補給路を確保することに成功しました。

北ベトナム軍はアメリカ軍の砲爆撃に大きな犠牲を出しながらも昼夜を問わず攻撃を続け、一時的にアメリカ軍の防衛ラインを突破しましたが、第7航空騎兵連隊の反撃と航空戦力によって最終的に撃退されました。

戦闘の結果

アメリカ軍はこの戦いで北ベトナム軍に勝利したものの、北ベトナム軍の戦死者は1519人に達し（負傷者数は不明）、アメリカ軍も約1000人中305人が戦死、524人が負傷するという大きな損害を受けました。

この戦いの後、北ベトナム軍は物量で勝るアメリカ軍との正面衝突を避け、ゲリラ戦を主な戦術として採用するようになりました。

関連項目

ベトナム戦争
ワンス・アンド・フォーエバー

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