イグエイ

イグエイ：ドミニカ共和国東部の歴史と文化が息づく街

イグエイは、ドミニカ共和国の東端、ラ・アルタグラシア州の州都として知られています。かつてはタイノ人の王国が栄え、コロンブスが上陸した地でもあります。現在では、観光と畜産の中心地として発展を続けており、その歴史と文化、そして美しい自然が多くの人々を魅了しています。

地理と人口

イグエイは、市街地をユマ川が流れ、肥沃な大地が広がっています。2010年の国勢調査によると、人口は約14万7978人で、国内で6番目に人口が多い都市です。人口は増加傾向にあり、1981年には3万人程度でしたが、20年間で約5倍に増加しています。

経済

イグエイの経済は、農業、畜産、観光業が中心です。農業では、サトウキビ、コーヒー、タバコ、ココア、米、大豆などが栽培され、畜産では、牛や豚が飼育されています。近年では、プンタ・カナ国際空港からのアクセスも良く、スノーケリング、スクーバダイビング、ウィンドサーフィン、ヨットといったマリンスポーツを楽しむ観光客が増加しています。

歴史

タイノ人の王国からスペインの征服へ

15世紀末、ヨーロッパ人がイスパニョーラ島に到達する以前、イグエイ周辺にはタイノ人のサイシム・イグエイ王国が存在していました。1502年、ニコラス・デ・オバンドが島の総督に就任し、1503年にはフアン・デ・エスキヴェルが征服を指揮しました。エスキヴェルはサオナ周辺でタイノ人を虐殺し、その残虐な行為はバルトロメ・デ・ラス・カサスによって記録されています。

奴隷貿易とハイチ革命

1508年、イグエイは限定的な自治権を与えられましたが、1519年までにタイノ人の人口は激減し、スペイン人はアフリカ人を奴隷として連れてきました。1791年にハイチ革命が勃発すると、1795年のバーゼルの和約によって、スペインは全島をフランスに割譲しました。

ハイチ占領とドミニカ共和国の独立

1801年、ハイチの独立運動指導者トゥーサン・ルーヴェルチュールが全島を掌握し、奴隷を解放しましたが、1809年にはスペインが島の東側を再占領しました。1822年にはハイチのジャン・ピエール・ボワイエに占領され、経済は混乱しましたが、奴隷制は廃止されました。1844年、ラ・トリニタリアの努力を通してドミニカ共和国は再独立を果たし、初代大統領にはペドロ・サンタナが就任しました。

その後の歴史

1861年、サンタナはスペインに再併合を申込みましたが、1865年に再び独立。1906年にはアメリカ合衆国の保護国となり、1916年から1924年までアメリカと戦争を行いました。1930年、ラファエル・トルヒーヨ大統領の独裁政治が始まり、イグエイの比較的豊かな時代は終わりを迎えました。

観光

イグエイ周辺には、プンタ・カナ国際空港があり、多くの観光客が訪れます。東部国立公園、プンタ・カナ、バヴァロ、バヤイベ、ボカ・デ・ユマなどの観光地があり、ラ・アルタグラシア聖堂は有名な観光スポットです。

イグエイは、その豊かな歴史と文化、そして美しい自然が融合した魅力的な街です。ドミニカ共和国を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

もう一度検索