イグニス (KOF)

イグニス：ネスツの支配者にして、最強の称号を求める男

イグニスは、SNKプレイモアの人気対戦格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ2001』（以下『2001』）に登場する、秘密組織「ネスツ」の黒幕にして、その創始者であるネスツの息子です。しかし、彼は父親を殺害し、組織の支配者となりました。

イグニスは、2000mの直径と3000mの高さを持つ巨大な宇宙要塞「エイダス」を拠点としています。『2001』の優勝者をスカイシップでエイダスに招き入れ、自らの野望を明かします。それは、世界最強の戦士たちとの戦闘を通して、「最強の人類を打ち倒した最強の存在」という称号を得て、世界を支配することです。

イグニスの外見は、56歳とは思えない美形の青年です。長く金髪を横分けにし、細身の体格をしています。彼の周囲には、恐怖と忠誠が入り混じった複雑な人間関係が存在し、ネスツ最高幹部の一人であるミスティーがその傍らにいます。ミスティーは、ネスツに参加する目的を隠しており、飛賊の長である龍とも協力関係にあるなど、その正体は謎に包まれています。

イグニスは、ネスツの改造人間であるK'、ウィップ、クーラ・ダイアモンドなど、数々の強力な戦闘員を「モルモット」と呼び、自らの野望達成のための道具として利用しました。彼らが『KOF』で最強の戦士となるよう遺伝子操作を行い、記憶を封印した上で、最強の戦士となった時に記憶を呼び覚ますことで、自らの強さを試すための相手として利用しようとしたのです。

圧倒的な戦闘力と個性的な技

イグニスは、「音巣対流拳（ネスツリュウケン）」という独自の格闘スタイルを用います。これはオリジナルゼロが使用するスタイルを強化したもので、腰に装備したワイヤー状の武器「イーリスランス」と、両手と肩に内蔵された多節鞭状の武器「ガーリアン・ソード」を巧みに操ります。これらの武器は、ネスツが作り出した疑似生命体とされています。

彼の技は、そのどれもが非常に強力で、弱攻撃ですら連続ヒットしやすいという特徴があります。「チェーンブレイド トランスアキシャル スライス」などの必殺技は、相手に食らい判定を残すため、これらを利用した強力なコンボを容易に繋げることが可能です。しゃがみモーションが存在しないという特徴も持ちますが、『2002UM』では追加されています。また、パワーゲージは表示されませんが、ゲージ消費行動ではゲージが減ります。

代表的な技には、以下のものがあります。

通常投げ: ブルー・ノア、レッド・ノア
必殺技: チェーンブレイド トランスアキシャル スライス、チェーンブレイド サジタルエッジ スライス、ネガ・ジェネシス（『2002UM』ではヴォイド ジェノサイド）、ディバインアロー：エア、ディバインアロー：グランド
* 超必殺技: イーディアンブレイド、ケイオス タイド、ブルータル ゴッド プロジェクト、ディスインテグレイショナル ユニバース（『2002UM』におけるMAX2）

これらの技は、高い攻撃力と独特の性能を持ち、イグニスの圧倒的な強さを象徴しています。

敗北とネスツの終焉

プレイヤーに敗北したイグニスは、復讐を誓い、宇宙基地を地球に落とそうとしますが、K'たちによって阻止され、自らの要塞と共に海中に墜落します。これにより、ネスツは完全に壊滅しました。

複雑な人間関係と因縁

イグニスは、K'、マキシマ、ウィップといった元ネスツ所属のキャラクター達、そしてクーラ・ダイアモンド、K9999、クリザリッドなど、多くのキャラクターと複雑な因縁で結ばれています。また、ネスツの創始者である父親との関係、そしてミスティーや龍との裏切りと駆け引きなど、彼の周囲には数々のドラマが展開されています。彼は草薙京の遺伝子も奪っており、ハイデルンやラモンといった強力な人物とも敵対関係にあります。

イグニスは、単なるボスキャラクターではなく、物語の中心人物として、ゲームに深みを与えていると言えるでしょう。彼の存在は、『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズにおける重要な要素の一つであり続けています。

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