イゴル・ドドン

イゴル・ドドン：モルドバの政治家

イゴル・ドドン（Igor Dodon、1975年2月18日 - ）は、モルドバの政治家であり、同国の大統領（第5代）、通商経済相、社会党党首を歴任しました。

経歴

前半生

モルダビア・ソビエト社会主義共和国のカララシ県サドヴァ村で生まれました。モルドバ国立農業大学で経済学を学び、1998年にモルドバ経済研究アカデミーから博士号を取得。1997年から2005年まで、学術界で助教や講師を務めました。

大統領選出以前

2005年5月、第二次ヴァシレ・タルレフ内閣の通商経済副大臣に任命。2006年9月に通商経済相に昇任し、ジナイダ・グレチャヌイ内閣が総辞職する2009年9月まで在職しました。2008年から2009年のグレチャヌイ内閣では、副首相を兼務しました。

2011年6月にはキシナウ市長選に出馬しましたが、ドリン・キルトアカに惜敗。同年11月にはモルドバ共和国共産党を離党し、12月18日にはモルドバ共和国社会党に合流、同党の議長に選出されました。

2012年3月16日の大統領選挙では、欧州統合同盟のニコラエ・ティモフティ候補に投票しました。

2016年大統領選挙

2016年10月30日、20年振りとなる直接選挙による大統領選挙が行われ、ドドンはこれに立候補。親欧米路線のマイア・サンドゥと激しく争い、決選投票の末、11月13日に52.29%の得票率で当選しました。

大統領に選出されたドドンは、モルドバの国内法の規定に従い、社会党議長を辞職し、同党を離れました。

大統領選出後

2017年9月12日、空席となっていた国防大臣としてパヴェル・フィリプ首相はユーゲン・スターザ(Eugen Sturza)を指名しましたが翌13日にドドンはスターザの若さ（当時32歳）を理由に承認を拒否。2018年9月24日には大臣の任命を拒否したことを理由に、憲法裁判所より一時的に職務を停止されました。

2018年9月10日、首都郊外を移動中に乗っていた自動車がトラックと衝突して負傷しました。

2019年2月24日のモルドバ総選挙ではドドンのモルドバ共和国社会党が34議席を獲得。6月7日、憲法裁判所は議会の解散と総選挙を行うことを決定。ドドンはこれに応じず、首班をマイア・サンドゥとする連立政権樹立を決定。しかし、後に憲法裁判所がこれを違憲としてドドンを職務停止とする決定を下すなど、政情は不安定化しました。

10月23日に来日し、夫人と共に東京都の台東区・浅草を訪れています。

大統領職の退任とその後

2020年11月1日の大統領選挙では得票率32.66％で2位にとなり、15日の決選投票でもマイア・サンドゥに敗れ、同年12月24日に退任しました。

2022年5月24日、モルドバ当局は、ドドンを国家反逆や汚職の容疑で拘束し、首都キシナウにある自宅など12か所を家宅捜索しました。

政策・思想

親ロ的な政治家として知られ、モルドバの連邦化に賛成していると見られています。

2012年11月には、自らのフェイスブックのプロフィールに、ロシアの国旗を刺繍した服を着た写真を投稿し、親ロ派疑惑を裏付けるものとして批判されました。

2016年10月には、クリミアが「ロシア連邦の領土」であると認めました。

2017年4月にモルドバはユーラシア経済連合の初のオブザーバー国となり、同年5月にはドドンはモスクワ対独戦勝記念パレードに外国の政府指導者で唯一出席しました。

人物

既婚者であり、3人の子どもがいます。

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