イザベル・オブ・グロスター

イザベル・オブ・グロスター（1173年 - 1217年10月14日）は、イングランド王ジョンの最初の妻として知られています。彼女は、ヘンリー1世の庶系の孫である第2代グロスター伯ウィリアム・フィッツ・ロバートの娘として生まれました。父ウィリアムが1183年に亡くなった際、男子の後継者がいなかったため、グロスター伯の称号は一旦消滅しましたが、1186年にイザベル自身に新たに与えられました。

結婚と離婚

1189年8月29日、イザベルは当時王弟であったジョンと結婚しました。ジョンがイングランド王位に就いたのは1199年のことですが、その前後で、二人の婚姻はローマ教皇ボニファティウス8世によって無効とされました。理由は、二人が共にヘンリー1世の血を引く又いとこ同士であったためです。この離婚により、イザベルは王妃とは認められず、グロスター伯の地位も剥奪されてしまいました。

グロスター伯位の回復と再婚

剥奪されたグロスター伯位と領地は、イザベルの姉マーベルの息子であるエヴルー伯アモーリー4世に受け継がれました。しかし、アモーリー4世が1213年に亡くなると、イザベルは再びグロスター伯に封じられました。その後、1214年に第2代エセックス伯ジェフリー・フィッツジェフリー・ド・マンデヴィルと再婚し、ジェフリーもまたグロスター伯を名乗りました。

その後の生涯

1216年にジェフリーが亡くなり、イザベルは再び未亡人となりました。1217年にはヒューバート・ド・バラ（後のケント伯）と結婚しますが、そのわずか1か月後に亡くなりました。イザベルの死後、グロスター伯位は妹アミシー（ハートフォード伯爵夫人）の息子ギルバート・ド・クレアに引き継がれました。

イザベルの生涯は、結婚、離婚、再婚、そして爵位の変動など、多くの出来事に彩られた波乱に満ちたものでした。彼女の人生は、当時の貴族社会における政治的な駆け引きや、婚姻が持つ意味合いを色濃く反映していると言えるでしょう。

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