イシガイ

イシガイ（石貝）について

イシガイ（Unio douglasiae）は、イシガイ科に属する淡水性の二枚貝です。主に湖沼や流れの緩やかな河川の下流域、用水路などの砂泥底に生息しています。

形態

大きさ: 殻長は約90mm程度まで成長します。
形状: 殻は細長く、厚みがあります。
色: 殻の色は茶褐色から黒色をしています。若い個体には、殻の表面にうろこ状の彫刻が見られることがありますが、成長するにつれて消失します。
内側: 殻の内側は美しい真珠光沢を放っています。

生態

イシガイは、他の二枚貝と同様に水中の有機物を濾過して питается。繁殖期には、グロキディウムと呼ばれる特殊な幼生を放出します。このグロキディウム幼生は、ヨシノボリ、オイカワ、カマツカなどの魚に一時的に寄生し、成長に必要な栄養を摂取します。その後、魚から離れて水底で生活するようになります。

人間との関わり

琵琶湖周辺地域では、イシガイの仲間を区別せずに「イシガイ」と総称し、食用として利用することがあります。多くの場合、佃煮などの加工食品として販売されています。

保護状況

イシガイは、生息地の環境悪化や水質汚染などにより、多くの地域で個体数が減少しており、以下の都道府県でレッドデータブックに掲載され、保護の対象となっています。

愛媛県・宮崎県：絶滅危惧I類
岐阜県（亜種 Unio douglasiae douglasiae）：絶滅危惧II類
群馬県：準絶滅危惧
大阪府：要注目
愛知県・高知県（亜種 Unio douglasiae nipponensis）：絶滅危惧IA類
富山県：絶滅危惧種
埼玉県・静岡県・三重県・鳥取県・鹿児島県：準絶滅危惧
山形県：地域個体群

イシガイの保全のためには、生息環境の保護、水質改善、外来種対策などが重要となります。

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