イシナガキクエを探しています

ドラマ『イシナガキクエを探しています』

『イシナガキクエを探しています』は、2024年4月30日、5月11日、そして5月18日に「TXQ FICTION」枠で放送されたモキュメンタリー形式のテレビドラマです。本作は、1969年に失踪した女性「イシナガキクエ」を長年にわたって探し続けていた男性、米原実次の遺志を受け継いで制作された公開捜査番組を舞台にしています。テレビの冒頭と最後には、「この番組はフィクションです。実際の人物や事件とは無関係です」というテロップが表示され、視聴者には明確にフィクションであることが示されました。

あらすじ

第1話

米原は長い間「イシナガキクエ」という女性の行方を追い続け、テレビ東京に協力を求めるところから物語はスタートします。しかし、2024年2月に米原が他界したことにより、テレビ局は彼の意志に基づいて公開捜索番組の制作を決定します。放送中、米原が自身の近所でキクエを探す姿を映したVTRが流れ、近隣住民の中にはキクエの存在を疑う人が多く、米原は1枚の曖昧な写真を示します。この写真が彼女のものだと主張します。その後、視聴者からの情報提供が呼びかけられ、米原の周辺に多くの人が出入りしているとの情報が寄せられました。

第2話

全国から寄せられた目撃情報や噂の中、心霊系YouTuberの「キラフ」によって発見された35枚以上の不鮮明な写真が登場します。その中にはキクエに似た女性が含まれている可能性があるとされ、番組内でその映像が公開されました。また、中学生の上田怜歩那が池で発見した謎のビデオカメラからも重要な映像が提供されますが、その映像には池の中にキクエに似た女性の写真が付けられた人型の物体が含まれていました。

第3話

この話では司会の安東が一人で番組を進行します。キラフが提供した写真の分析結果が米原の持っていた写真と同一人物である可能性が高いことがわかり、視聴者からの情報提供の打ち切りが発表されます。また、過去に米原が出演したテレビ番組の映像が公開され、そこで彼は「何体も処理している」と発言している様子も流れます。最終的に、米原が自宅近くで焼死体で見つかったとのニュース映像が流れ、公開捜索番組は幕を閉じることになります。

第4話（最終話）

この回はスタジオパートがなく、米原の行動を検証するVTRが流れる形式となります。各種目撃情報が整理される中、第3話で放送された目撃証言についての経緯が語られ、米原が自由奔放な行動の中で「キクエが既に亡くなっている可能性が高い」という局の判断があったことが明らかになります。さらに、米原の過去に関する調査が行われますが、番組ラストに流れる映像によって、彼の一連の行動がどのように進展していたのかが明らかにされます。

制作背景と反響

本作は新設された「TXQ FICTION」枠での制作で、リアリティを追求したモキュメンタリーとして注目されました。特に第1話の放送直後には多くの視聴者が電話をかけるという現象が起き、ネット上でも大きな話題となりました。番組内で使われた問い合わせ番号には実在のものが使われており、制作陣の考慮が伺えます。

ドラマ『イシナガキクエを探しています』は、公開捜査番組という形式を借りながら、視聴者に不気味で独特な体験を提供する作品として、多くの人々に印象を残したことでしょう。

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