イズミメイプルレッズ

イズミメイプルレッズについて

イズミメイプルレッズは、広島県広島市に本拠地を置く女子ハンドボールチームです。日本のトップリーグである日本ハンドボールリーグに所属しており、株式会社イズミを運営母体としています。

チームの歩み

チームの起源は、1992年に開催された第51回国民体育大会（ひろしま国体）を契機とした実業団チーム設立の動きに遡ります。広島県体育協会からの提案を受け、広島県ハンドボール協会がイズミへ話を持ちかけたことからプロジェクトが始動しました。

イズミ側は、ハンドボールの試合観戦を通じてその熱狂的な魅力に触れ、チーム活動が社内の活性化に繋がることを期待し、創部を決定しました。1993年4月には、地元出身で筑波大学で主将を務めた長久直子氏が入社。同年7月には「イズミハンドボール部」として正式にチームが発足しました。その後、ジャスコで活躍した小林ゆり子氏や、バルセロナオリンピック金メダリストである元韓国代表の林五卿氏といった実力派選手がチームに加わりました。

1994年シーズンから日本ハンドボールリーグに参戦。橋詰とね氏、青戸あかね氏、杉本絵美氏、大前典子氏らの活躍もあり、チームは急速に力をつけ、創部わずか3年目の1996-97シーズンにはリーグ初優勝を飾ります。さらに、1998-99シーズンからはリーグ3連覇を達成するなど、国内屈指の強豪へと成長していきました。全日本総合ハンドボール選手権大会でも1997年に初優勝を果たし、1999年、2000年には連覇を達成しています。

クラブチーム時代とその後の発展

21世紀に入ると、日本のスポーツ界を取り巻く環境が変化し、企業チームの廃部や縮小が相次ぎました。こうした状況の中、「イズミハンドボール部の灯を消してはならない」という強い思いから、チームは新たな道を模索します。

2001年、チームはイズミをメインスポンサーとしつつも、クラブチーム体制へと移行。「広島メイプルレッズ」と名称を変更し、NPO法人広島女子スポーツクラブとして23社の企業と約500人のサポーターによる共同出資によって運営されることになりました。選手数はリーグ参加チームの中でも少数ながら、監督兼選手として林五卿氏、コーチ兼選手として呉成玉氏がチームを牽引し、多くの主力選手が引き続き在籍しました。

クラブチーム移行後もその強さは健在で、2004年にはリーグ6連覇を達成。同年に全日本実業団、全日本総合、国民体育大会も制覇し、女子ハンドボール界で1978年以来となる史上3チーム目の四冠を達成しました。翌2005年にもリーグ優勝を果たし、7年連続リーグ優勝という日本ハンドボールリーグ最多連続優勝記録を樹立する金字塔を打ち立てました。

2019年3月28日には、再びイズミの実業団チームとして運営されることが発表され、チーム名称も現在の「イズミメイプルレッズ」に改められました。

近年では、2022年10月21日に、2024年より開幕が予定されているプロフェッショナルリーグへの参入内定が発表されており、今後の更なる活躍が期待されています。

チームのアイデンティティ

チーム名である「メイプルレッズ」は、広島県の県木である「もみじ（メイプル）」が紅葉する際の鮮やかな赤色に由来しています。この赤色は、選手たちの燃え盛る闘志や情熱も同時に表現しています。チームのマスコットキャラクターは、このもみじをモチーフにした「メイプルちゃん」です。

主なホームゲーム会場としては、広島市内のコジマホールディングス中区スポーツセンターやマエダハウジング東区スポーツセンターが使用されています。練習は主に西区のひろぎんの森体育館を中心に行われています。

これらの歴史と伝統、そして地域に根差した活動を通じて、イズミメイプルレッズは日本の女子ハンドボール界において重要な存在であり続けています。

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