イズラエル・カマカヴィヴォオレ

イスラエル・カマカヴィヴォオレ（IZ）：ハワイの伝説的歌手

1959年、ハワイのホノルルに生まれたイズラエル・カマカヴィヴォオレ（Israel Kaʻanoʻi Kamakawiwoʻole）は、世界中で愛されるミュージシャン、IZとして知られています。300キロを超える巨体に似合わない、透き通るような歌声と、ハワイアンミュージックを基調とした独特のスタイルで、多くの人々を魅了しました。

幼少期からバンド活動へ

ホノルル近郊で育ったIZは、11歳から兄と共に音楽活動をスタート。1976年には、兄を含むメンバーで構成されるバンド「マカハ・サンズ・オブ・ニイハウ」に参加し、ハワイアンミュージックシーンで頭角を現します。バンドは80年代に人気を博しましたが、1982年、兄の急逝という悲劇に見舞われます。

ソロデビューと世界的成功

1990年のソロデビュー後、1993年に発表したアルバム『Facing Future』が、IZを世界に知らしめました。特に収録されている「Somewhere Over the Rainbow/What a Wonderful World」は、彼の代表曲として有名になり、多くの映画やテレビ番組、CMなどで使用されています。この曲は、ハワイアンの優しいメロディーに、希望に満ちた歌詞が重なり、人々の心に深く響く名曲です。

日本では、1995年にラジオ番組『山下達郎のサンデー・ソングブック』で紹介された「Tengoku Kara Kaminari」が話題となりました。力士の曙、武蔵丸、小錦を歌い込んだこの曲は、彼のユーモアセンスも感じさせる一曲です。

早すぎる死と、不滅のレガシー

1997年、わずか38歳の若さで、IZは肥満が原因でこの世を去りました。彼の死は、ハワイのみならず世界中に衝撃を与え、葬儀には1万人以上が参列。ハワイ州旗は半旗に掲げられました。

IZの音楽は、彼の死後もなお世界中の人々に愛され続けています。「Somewhere Over the Rainbow」は、ショーン・コネリー主演の映画『小説家を見つけたら』や、アメリカの医療ドラマ『ER緊急救命室』など、様々な作品で使用され、その度にIZの音楽は新たな世代に受け継がれていきました。

彼の音楽は、ハワイの美しい自然、そして人間の温かさ、希望を象徴する存在となっています。大柄な体格からは想像もつかない繊細で優しい歌声、そして、ハワイアンミュージックをベースとしながらも、様々なジャンルの要素を取り込んだオリジナリティ溢れる音楽は、今もなお多くの人々に感動を与え続けています。彼の残した楽曲は、これからも世界中の人々に癒しや感動を与え続けることでしょう。

ディスコグラフィー

1990年: Ka'Ano'i
1993年: Facing Future
1995年: E Ala E
1996年: N Dis Life
2000年: IZ in Concert-The Man And His Music
2001年: Alone in IZ World
2007年: Wonderful World

ビデオ

1997年: IZ The Man and His Music

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