イドリヤ

スロベニアの歴史と鉱業の街、イドリヤ

スロベニア西部に位置するイドリヤは、水銀鉱山と織物で知られる歴史ある都市です。かつてオーストリア統治下では「イドリア」と呼ばれていました。1497年に水銀が発見されたことがこの地の歴史を大きく変え、1580年には政府による鉱業生産が開始されました。この鉱山は、500年前に一人のバケツ職人が偶然水銀を発見したという伝説に彩られています。イドリヤは、水銀が液体と硫化水銀の両方の状態で産出される、世界でも数少ない場所の一つです。

鉱山の歴史と現状

イドリヤの鉱山は、その歴史の中で重要な役割を果たしてきました。水銀は、古代から様々な用途で使用されており、イドリヤの鉱山は、ヨーロッパにおける水銀供給の重要な拠点でした。鉱山は、深さ400メートルにまで及ぶ大規模なもので、現在でもその一部を見学することができます。

現在は、アントニウスの中心坑道と呼ばれる坑道の上層部が観光用に開放されています。坑道内には、様々な時代の鉱山労働者の等身大模型が展示されており、当時の労働環境や生活を垣間見ることができます。地下400メートルにある下層部は、現在採掘は行われていませんが、鉱山の歴史や技術を伝える貴重な遺産として保存されています。

ユネスコ世界ジオパーク

イドリヤは、その独特な地質学的特徴と文化的遺産が評価され、ユネスコ世界ジオパークにも指定されています。この指定は、イドリヤの自然と文化を保護し、持続可能な観光を促進することを目的としています。ジオパークでは、鉱山の歴史だけでなく、地域の自然環境や文化についても学ぶことができます。

イドリアレース

イドリヤのもう一つの特徴は、伝統的なイドリアレースです。このレースは、複雑なパターンと繊細な技術で知られ、地域の文化遺産として大切にされています。イドリアレースは、観光客にも人気があり、お土産としても購入することができます。

結論

イドリヤは、鉱山とレースという二つの歴史的、文化的な遺産を持つ魅力的な都市です。ユネスコ世界ジオパークに指定されたその価値は、訪れる人々に深い印象を与えるでしょう。



関連項目

水銀の遺産アルマデンとイドリヤ


外部リンク

イドリヤ市公式サイト（スロベニア語）

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