イナコスの橋

イナコスの橋

イナコスの橋は、大分県別府市荘園町に位置する歩道橋で、境川に架かっています。この橋は、南立石公園と国立病院機構西別府病院を結ぶ重要な役割を果たしており、地域住民の生活を支えるとともに、美しい景観を提供しています。

名称の由来

橋の名称である「イナコス」は、ギリシア神話に登場する川の女神「イーナコス」に由来しています。この名称は、橋が川に架かる存在であること、そしてその美しさを象徴しています。

構造

イナコスの橋は、サスペンション（吊り）構造とアーチ構造を組み合わせた、非常に珍しい「サスペン・アーチ橋」という構造形式を採用しています。橋の床版には、78枚の花崗岩が木琴のように並べられており、その内部にはピアノ線が通されています。このピアノ線によって、花崗岩は両岸にしっかりと固定されています。橋の延長は35.7m、幅は2mから2.9mです。

床版に用いられている花崗岩は、別府市の友好都市である中国山東省烟台市産です。友好都市とのつながりを象徴する素材が使われていることも、この橋の特徴の一つと言えるでしょう。

設計

イナコスの橋は、構造設計家である川口衞氏によって設計されました。彼の卓越した設計思想と技術が、このユニークで美しい橋を生み出したと言えるでしょう。

受賞歴

イナコスの橋は、その優れたデザインと構造が高く評価され、以下の賞を受賞しています。

土木学会田中賞作品賞（1994年）
日本建築学会作品選奨（1996年）
* 土木学会デザイン賞2005 優秀賞

これらの受賞歴からも、イナコスの橋が優れた建築物、構造物であることが伺えます。

まとめ

イナコスの橋は、単なる移動手段としての橋ではなく、その美しいデザインと構造、そして地域とのつながりを象徴する存在です。訪れる人々を魅了し、地域に貢献するこの橋は、別府市を代表するランドマークの一つと言えるでしょう。

外部リンク

イナコスの橋 川口衞構造設計事務所

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