イナズマン

特撮テレビシリーズ『イナズマン』

『イナズマン』は、1973年10月から1974年3月にかけて放送された特撮テレビ番組で、全25話を通して放映されました。このシリーズは、石森章太郎が原作を手がけ、東映が制作を担当しました。

作品の背景と特徴

本作品が放送された当時は、超能力やUFOといったオカルト現象が若者の間で流行しており、これらのテーマが作品に盛り込まれています。主人公は超能力者であり、彼が所属する少年同盟も超能力を持つメンバーたちから構成されています。主人公は、サナギマンからイナズマンに変身するという二段階の変身能力を持っており、そのデザインは蝶をテーマにしているとされています。

ストーリーの概要

物語は、東南大学に通う三年生の渡五郎を中心に展開します。彼はある晩、友人と共に女性と少年が怪人に襲われる現場を目撃し、助けに入りますが、怪人に攻撃され海中に落ち込んでしまいます。その後、奇跡的に目を覚ました五郎は、彼女たちが所属する少年同盟に出会い、自身も超能力者であることを知ります。少年同盟の盟主、キャプテンサラーは五郎の能力を開花させ、彼は新人類帝国と戦うことを決意します。

物語は、五郎が超能力を使ってバンバ率いる悪の超能力者集団、ファントム軍団と激闘する様子を描いています。最終回ではファントム軍団との壮絶な戦いが展開され、新たな敵であるデスパー軍団の登場も暗示されています。

主要なキャラクター

渡五郎 / イナズマン / サナギマン

東南大学に通う主人公で、サッカー部所属。超能力を持ち、イナズマンとして新人類帝国と戦います。

丸目豪作

五郎の友人で正義感にあふれたキャラクター。超能力は持っていないものの、武術の心得があり仲間として戦います。

キャプテンサラー

少年同盟の指導者で、五郎に超能力を覚醒させた重要な人物。

制作の背景

『イナズマン』は、実際の特撮番組としては、当時流行していた変身ヒーローブームに乗る形で制作されました。企画は1972年に立案され、石森章太郎の原作と独特のキャラクターデザインが特長でした。主題歌や挿入歌は渡辺宙明が手がけ、音楽的にも高い評価があります。特撮シーンでは、美術やアクションにおいて当時最新の技術が用いられ、迫力ある映像表現がなされています。

評判と影響

視聴率は当初低迷しましたが、劇中のロボットやアクションシーンが視聴者からの支持を受け、玩具や関連商品として人気を博しました。特に、ライジンゴーは大ヒット商品となり、この作品は後の特撮作品へも影響を与えました。

まとめ

『イナズマン』は、超能力をテーマにした特撮ヒーローものとして、当時のトレンドを反映した作品でした。多くのキャラクターと緻密なストーリーが展開され、シリーズとしても大きな意義を持っていました。この作品は後に続く様々な特撮ヒーロー作品にも影響を残すなど、日本の特撮文化において重要な位置を占めています。

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