イベント・ホライゾン

映画『イベント・ホライゾン』：深宇宙を舞台にした悪夢

『イベント・ホライゾン』（Event Horizon）は、1997年に公開されたアメリカのSFホラー映画です。タイトルの「イベント・ホライゾン」とは、劇中に登場する宇宙船の名前であり、物理学の概念である「事象の地平面」を意味しています。この映画は、深宇宙探査船を舞台に、人類が未だ見ぬ恐怖に直面する姿を描いています。

概要

物語は、7年間消息不明となっていた深宇宙探査船イベント・ホライゾン号が、突如として海王星付近に現れたことから始まります。調査のため派遣された救助艇ルイス＆クラーク号の乗組員たちは、そこで想像を絶する恐怖を体験することになります。本作は、ホラー作家クライヴ・バーカーが制作初期段階で助言をしており、その影響が色濃く反映された作品となっています。

当初の公開予定よりも前倒しで公開された本作は、制作スケジュールが大幅に短縮され、スタッフは休日返上で作業にあたるなど、厳しい状況下で制作されました。テスト試写では、暴力的なシーンの多さなどから評判が悪く、公開版ではさらに30分がカットされています。

興行的には失敗に終わったものの、ビデオソフトの発売後にカルト的な人気を獲得し、ディレクターズ・カット版の制作が企画されました。しかし、カットされた部分のオリジナルフィルムは破棄または保存状態が悪く、完全版の製作は実現しませんでした。一部の未公開シーンは、スペシャルコレクターズエディションのDVDに収録されています。

ストーリー

西暦2047年、救助艇ルイス＆クラーク号は海王星へ向かいます。その目的は、7年前に消息を絶ったイベント・ホライゾン号の調査と乗組員の救助でした。イベント・ホライゾン号は、ウェアー博士が開発した重力駆動装置「コア」を搭載した人類初の深宇宙探査船でしたが、処女航海で消息を絶っていたのです。

海王星に到着したミラー船長らは、イベント・ホライゾン号内で凄惨な死を遂げた乗組員たちの遺体を発見します。また、起動したコアによって異次元空間に吸い込まれそうになったジャスティンは、意識を失いながらも生還します。しかし、コアの起動はルイス＆クラーク号を損傷させ、乗組員たちはイベント・ホライゾン号へ避難せざるを得なくなります。酸素の枯渇が迫る中、乗組員たちは幻覚を見始め、ジャスティンは錯乱して自殺を図ります。

ビデオ航海日誌には、狂気に染まった乗組員たちの姿が記録されていました。スターク副長は、船が意思を持っていると考え始め、イベント・ホライゾン号のコアが意思を持っていることが次第に明らかになってきます。ミラーはルイス＆クラーク号を修理して脱出し、イベント・ホライゾン号を破壊しようと試みます。

コアに取り憑かれたウェアー博士は、自らの目をくり抜き、ルイス＆クラーク号を破壊し、再び異次元へのジャンプを始めます。ミラーは、コアが地獄のような異次元から戻った際に邪悪な意思を持つようになったと悟ります。ミラーは自らを犠牲にし、イベント・ホライゾン号を爆破して船を二つに分割し、前部にはクーパー、スターク、ジャスティンが乗り込み脱出に成功します。72日後、冬眠状態の3人は救出されますが、目覚めたスタークはウェアーの幻覚を見て絶叫します。

キャスト

（キャストの情報は省略します）

TVシリーズ

2019年8月には、本作を原作とするテレビシリーズが製作中であることが発表されました。ホラー映画監督のアダム・ウィンガードが製作総指揮と監督を務める可能性があり、オリジナル映画の制作に関わったローレンス・ゴードンとロイド・レヴィンも参加しています。

参考文献・出典

（参考文献・出典の情報は省略します）

外部リンク

イベント・ホライゾン - allcinema
イベント・ホライゾン - KINENOTE
Event Horizon - オールムービー（英語）
Event Horizon - IMDb（英語）

もう一度検索