イボ・カロビッチ

イボ・カロビッチ：驚異的なビッグサーバーの軌跡

イボ・カロビッチは、211cmの長身から繰り出す強烈なサーブを武器に、男子プロテニス界で数々の記録を打ち立てたクロアチア出身の元プロテニス選手です。その圧倒的なサーブ力は、数々の観客を魅了し、テニス史にその名を刻みました。

プロ転向と衝撃のデビュー

カロビッチは、2000年にプロに転向しました。ジュニア時代からその才能を発揮し、2003年のウィンブルドンで、当時世界ランキング203位の予選勝者ながら、第1シードのレイトン・ヒューイットを破るという衝撃的なデビューを飾りました。この勝利は、ウィンブルドン史上、前年度優勝者が1回戦で敗退するという36年ぶりの大波乱でした。

躍進と数々の記録

2004年にはアテネ五輪にクロアチア代表として出場、2005年にはデビスカップで優勝に貢献。2006年にはツアー初優勝を飾り、その後も着実にキャリアを積み重ねました。2008年には世界ランキング14位に到達。2009年にはウィンブルドンでベスト8に進出するなど、ビッグサーバーとしての地位を確立しました。

サービスエース記録の数々

カロビッチの最大の武器は、その圧倒的なサーブ力でした。彼は通算サービスエース数で歴代1位（13,653本）を記録し、年間通算サービスエース数でも歴代2位にランクインしています。また、セカンドサーブで232km/hを記録するなど、サーブに関する数々の記録を保持しています。2015年には、3セットマッチの男子シングルス最多サービスエース数（45本）を記録するなど、その驚異的なサーブ力はテニス界を震撼させました。

晩年の活躍

2016年には37歳にしてツアー優勝を果たし、ATPワールドツアーで歴代2位の年長優勝記録を樹立。2017年全豪オープンでは、5時間14分の激闘を制し、75本のサービスエースを記録するなど、晩年までその存在感を示しました。

引退とレガシー

カロビッチは、2021年デルレイビーチ・オープンでの勝利を最後に、その長いプロキャリアに終止符を打ちました。彼の残した数々の記録と、記憶に残るビッグサーブは、テニスファンにとって永遠に語り継がれるでしょう。イボ・カロビッチは、テニス史に残る偉大なビッグサーバーとして、これからもその名を輝かせ続けるでしょう。

主な記録

通算サービスエース数：13,653本（歴代1位）
年間通算サービスエース数：1,318本（歴代2位）
セカンドサーブ速度：232km/h（歴代最速）
1試合でのサービスエース数：78本（歴代3位）
3セットマッチの男子シングルス最多サービスエース数：45本
ATPツアーシングルス優勝：8回
ATPツアーダブルス優勝：2回
ATPワールドツアー歴代2位の年長優勝記録

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