イマジン・ピース・タワー

イマジン・ピース・タワー

イマジン・ピース・タワーは、アイスランドのレイキャヴィーク沖のヴィーズエイ島に2007年に設立された平和を象徴するモニュメントです。この塔は、元ビートルズのメンバー、ジョン・レノンの妻であり前衛芸術家のオノ・ヨーコによって構想され、彼女の作品「オノズ・セールス・リスト」に由来しています。

ジョン・レノンは1960年代からこの平和の塔を作りたいという夢を抱いていました。彼がヨーコに質問を重ねているうちに、このプロジェクトが具体化されていきました。ジョンが他界した後、ヨーコはこの夢を実現するために努力を続け、ついに塔は完成を見ました。

塔の象徴性と構造

イマジン・ピース・タワーは「世界の最北に位置する首都から平和の光を発信する」という理念を持っています。物理的な建物ではなく、光が放たれる塔の形をしており、円筒形の台座が地下に組み込まれています。台座には強い光を発揮するライトが装備されており、本物のタワーのように空に向かって青白い光の柱を形成しています。

タワーの中心には「ウィッシング・ウェル」つまり「願いの井戸」が設置されており、その表面には24の異なる言語で「イマジン・ピース」と刻まれたガラスの石板があります。周辺の地下には、世界中から集められた平和に対する願いが詰まった「ウィッシュ・カプセル」があり、約50万通のメッセージが収められています。これらのメッセージは、未来に向けて永遠に保存されることが約束されています。

点灯期間と環境意識

この光の塔は常時点灯されているわけではなく、特定の期間のみ点灯されます。ジョン・レノンの誕生日である10月9日から彼の命日である12月8日まで、また12月31日やイースターの日にも点灯されます。

塔が建てられた理由にはアイスランドの特異性があります。アイスランドは環境に優しい国で、特に水力エネルギーが利用されています。タワー自身も地熱で電力が供給され、エコロジーに貢献している点も評価されています。

塔の技術的特性

イマジン・ピース・タワーは、台座に向かって放射状に掘られた光の回廊を持っており、周辺には6台の照明装置が設けられています。これらの光は、タワーの中心に位置するウィッシング・ウェルの底に設置された特殊なプリズムによって反射され、垂直に空に向かって立ち昇ります。タワーの周辺を訪れた人々は、自由にこの光の回廊を歩くこともできます。

完成の瞬間

イマジン・ピース・タワーの完成点灯式は、ジョン・レノンの67回目の誕生日に行われました。オノ・ヨーコや息子のショーン・レノン、元ビートルズのメンバーであるリンゴ・スター、レイキャヴィーク市長など、多くの人々が参列しました。式典中には、現地の子どもたちによる「イマジン」の合唱が披露され、記念の瞬間が演出されました。

ヨーコは、この塔によって世界中の人々の心が一つになり、平和の重要性を再認識してほしいとの願いを込めてコメントを残しています。

このようにイマジン・ピース・タワーは、アートと自然、そして平和への願いが結びついた象徴的な存在なのです。

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