イラク株

イラク株とは

イラク株とは、イラク証券取引所に上場している株式の総称です。また、イラク企業が海外市場に上場している株式を指すこともあります。この言葉は2008年頃から使われ始め、2000年代以降の外国株ブームの流れを汲んでいます。米軍のイラク撤退が段階的に進む中、ポスト米国占領のイメージを描く上でのキーワードの一つとして注目されました。

歴史

2003年のイラク侵攻以前には、バグダッド証券取引所が運営されていましたが、フセイン体制崩壊とともに活動を停止しました。

その後、2004年6月24日に、米国の支援のもと、イラク証券取引所が国内唯一の証券取引所として活動を開始しました。この新しい取引所は、旧バグダッド証券取引所とは全く関係がなく、イラクの証券会社で組織されるイラク証券業協会によって運営され、イラク証券委員会（SEC）の監督下に置かれています。SECは理事の選出も監督しており、日本のジャスダック市場になる前の店頭市場に例えられることもあります。

市場改革と急騰

2006年の法改正により、外国人もイラクの証券市場で株式を売買できるようになりました。これにより、米国などの外国人投資家が投資銀行や証券会社を通じて取引口座を開設し、イラク株への投資を開始しました。しかし、当初は流動性に乏しく、注文株数の約定率が低い、仲介会社からのレスポンスが遅いなどの問題がありました。

2008年9月には、世界の株式市場が低迷する中で、イラク株は急騰を開始しました。イラク証券取引所総合指数は、同年9月末の54.38ポイントから翌年4月末には281.10ポイントまで5倍以上も上昇し、大きな話題となりました。2008年10月10日には、ニューヨークポスト紙がこのイラク株の急騰を大きく報道し、「9月にはイラク証券取引所総合指数が40％上昇したが、ダウ平均株価は同期間に同じだけ下落した。活気に満ちたトレーディングフロアは、ウォール街が1980年代に活況を呈していた時代を彷彿とさせる」と伝えました。

電子取引の導入

2009年4月19日、イラク証券取引所は米ナスダックOMX社のシステムを利用した電子取引を開始しました。このシステム導入費用は米政府が負担したとされています。同年7月までには、大半の銘柄が場立ち取引から電子取引システムへと移行する予定でした。

関連情報

イラク：イラクの政治・経済情勢はイラク株の動向に影響を与える重要な要素です。
イラク・ディナール：イラクの通貨であるイラク・ディナールの為替変動も、イラク株の投資判断に影響を与える可能性があります。
イラク証券取引所：イラクの株式市場の公式サイトです。取引に関する情報や市場データを入手できます。
イラク証券委員会：イラクの証券市場を監督する機関です。市場の透明性と公正性を維持する役割を担っています。
イラク財務省：イラクの経済政策を立案・実行する機関です。イラク株市場にも影響を与える可能性があります。
イラク株ドットコム、イラク株投資実践：イラク株に関する情報収集に役立つ可能性があるサイトです。投資判断の参考として活用できます。

イラク株への投資には、市場の流動性の低さ、情報開示の遅れなど、特有のリスクも存在します。投資を行う際には、これらのリスクを十分に理解し、慎重な判断が求められます。

もう一度検索