イリアーヌ・イリアス

イリアーヌ・イリアス：洗練された技巧と温かい歌声で魅せるブラジリアン・ジャズの女王

イリアーヌ・イリアス（Eliane Elias）は、1960年3月19日ブラジルのサンパウロ生まれのジャズ・ピアニスト、ボーカリストです。1980年代からアメリカ合衆国を拠点に活動し、その卓越したピアノ演奏と温かみのある歌声で、ジャズファンのみならず幅広い音楽ファンを魅了し続けています。

幼少期からプロへの道のり

6歳からクラシックピアノを始めたイリアーヌは、幼い頃からビル・エヴァンス、ハービー・ハンコック、キース・ジャレットといったジャズ界の巨匠たちの音楽に親しみ、彼らの演奏を熱心にコピーしました。ブラジル国内でプロミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせ、トッキーニョやセバスチャン・タバジョスといった著名な音楽家たちと共演。

アメリカでの成功

1980年、パリへのツアー中に、ベーシストのエディ・ゴメスにその才能を見出され、アメリカへの進出のきっかけをつかみます。エディの強い勧めで、フュージョン・グループ「ステップス・アヘッド」に参加。その美貌もあいまって、一躍注目を集める存在となりました。

結婚と音楽性の深化

1983年には、トランペッターのランディ・ブレッカーと結婚。1985年には、ランディのプロデュースによる初のリーダーアルバム『アマンダ』を発表しました。その後、ランディとは離婚しましたが、1990年代にはボサノヴァ・アルバムでボーカリストとしての才能を開花させました。現在の夫であるベーシストのマーク・ジョンソンをパートナーとして、ジャズからボサノヴァまで、幅広いジャンルのアルバムを次々と発表しています。

ディスコグラフィー（一部）

『アマンダ』 - Amanda (1985年) ※ランディ・ブレッカーとの連名
『イリュージョン』 - Illusions (1986年)
『星に願いを』 - Cross Currents (1987年)
『風はジョビンのように』 - Eliane Elias Plays Jobim (1989年)
『海風とジョビンの午後』 - Sings Jobim (1998年)
『夢そよぐ風』 - Dreamer (2004年)
『私のボサ・ノヴァ』 - Bossa Nova Stories (2008年)
『ライト・マイ・ファイアー』 - Light My Fire (2011年)
『メイド・イン・ブラジル』 - Made in Brazil (2015年)
『ラヴ・ストーリーズ』 - Love Stories (2019年)

幅広い音楽性と今後の活躍

イリアーヌ・イリアスの音楽は、ジャズの即興性、ボサノヴァのメロディー、そして彼女自身のルーツであるブラジルのリズムが融合した、他に類を見ないものです。その音楽性は、常に進化し続けており、今後も世界中の音楽ファンを魅了し続けることでしょう。

関連項目：
ランディ・ブレッカー
マーク・ジョンソン (ミュージシャン)

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