イリニ (ギリシャ王女)

イリニ・ティス・エラザス・ケ・ザニアス：激動の生涯

イリニ・ティス・エラザス・ケ・ザニアス（Ειρήνη της Ελλάδας και Δανίας, 1942年5月11日 - ）は、ギリシャ王パウロス1世と王妃フリデリキの末娘として、南アフリカのケープタウンで生を受けました。彼女は、スペイン王フアン・カルロス1世の妃であるソフィア王妃、そして最後のギリシャ王となったコンスタンティノス2世の妹という、王室の中でも重要な位置を占めています。正式な称号は「ギリシャ王女およびデンマーク王女」です。

音楽への情熱と王位継承

幼い頃から音楽の才能を発揮したイリニは、著名なピアニストであるジーナ・バッカウアーに師事し、一時はプロのコンサート・ピアニストとして活動していました。また、1965年に兄コンスタンティノス2世の長女アレクシア王女が誕生するまでは、ギリシャ王位の推定相続人という立場にありました。

ロマンスと亡命生活

イリニは、オルレアニストのフランス王位請求者であるパリ伯アンリの三男、エヴルー伯ミシェルと交際していました。しかし、ミシェルは1967年に父の承認を得ずに結婚。その後、イリニは結婚することはありませんでした。

1967年末、クーデターにより兄コンスタンティノス2世率いるギリシャ王室は亡命を余儀なくされます。イリニは母フリデリキ王太后と共にインドへと亡命し、苦難の時代を過ごしました。

スペインでの新たな生活

1981年に母フリデリキ王太后が亡くなると、イリニは姉ソフィアが王妃として暮らすスペインに移住しました。フアン・カルロス1世とソフィア王妃夫妻は、イリニにマドリードのサルスエラ宮殿の一角を住居として提供し、温かく迎え入れました。

社会貢献活動

イリニは、「world in harmony」という慈善団体の設立者兼代表として、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。彼女の活動は、世界平和と調和を目指すものであり、多くの人々に感銘を与えています。

スペイン国籍の取得

2018年3月16日、イリニはスペイン国籍を取得し、ギリシャ国籍を放棄しました。これは、彼女の人生における大きな転換点となりました。

系譜

イリニの家系は、デンマーク国王クリスチャン9世に遡ります。クリスチャン9世は、ヨーロッパ各国の王室と姻戚関係を結び、「ヨーロッパの義父」と呼ばれました。イリニは、その血を引く者として、王室の伝統を受け継いでいます。

関連項目

* ギリシャ王室

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