イルミダス

イルミダスの全貌

概要

イルミダスは、松本零士の作品『宇宙海賊キャプテンハーロック』の関連作『わが青春のアルカディア』及び『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』に登場する架空の宇宙人とその母星の名称を指します。この勢力は地球人類に対する攻撃を仕掛け、物語の中で重要な役割を果たしています。

わが青春のアルカディアでの登場

イルミダスは、ハーロックの若き日の奮闘を描いた『わが青春のアルカディア』に初めて映像上で登場します。この作品よりも以前に、同じ世界観を持つ松本の作品『アイランダー零』にも言及されていたことは興味深い点です。彼らは外宇宙に進出した地球人類に対し、大規模な攻撃を行い、圧倒的な科学技術と軍事力を持って周辺の星々を征服していきました。地球側も反撃を試みますが、最終的には敗北し、地球人は開拓惑星から撤退を余儀なくされます。

イルミダス星

イルミダス星、またの名を「イルミダス本星」は、機械化された外観を持ち、特徴的な環を有します。この環は防御壁として機能し、艦隊の発進基地ともなっているため、戦略的に重要です。『アルカディア』では、イルミダス星の内部に住むイルミダス人が、地表の無人の荒野を利用して地球側を裏切り、逆襲を仕掛けてきたという設定が描かれています。最終的には明確なラストが描かれることなく、アルカディアの光の女王の怒りによって消滅を迎えました。

イルミダス人の特性

イルミダス人は地球人に似た外見を持つ異星人で、薄緑色の肌が特徴です。彼らは男性のキャラクターしか登場せず、女性キャラクターは限定的です。イルミダス人には征服民に対する差別的な傾向が見られ、彼らは他星の住民に対して冷淡で傲慢な態度を示します。しかし一方で、地球文化や敵国の素晴らしさを理解する道徳心を持った人間も存在します。

社会体制と軍事策略

イルミダスは軍事大国として、相手星を降伏させるか殲滅するかの厳しい選択を強いる体制を敷いています。征服した星々から資源を過剰に収奪し、抵抗する者には容赦をしません。これは多くの侵略者同様の行為で、人道的な政略は少ないです。地球占領軍内には、比較的柔らかな占領政策を取る者と、過酷な方法で弾圧を行う者が相対し、そのあたりの権力闘争が物語に複雑性を与えています。

科学技術と機械化

イルミダスの科学技術は、自動化と機械化の思想が色濃く表れています。本星では無人兵器を多く使用しており、消耗品扱いされる艦船や装備が目立ちます。地球人科学者に比べると、彼らの艦船の自動化は遅れをとっていますが、戦闘機や戦車などの兵器は先進的です。

最後の運命

やがてイルミダスは、ハーロックたちの存在に脅威を感じ、彼らを排除しようと試みますが、逆に自身の軍力を浪費してしまいます。最終的に、イルミダス母星はハーロックたちの手によって滅ぼされ、残存勢力やその後の情勢については松本の後の作品には語られません。松本零士は、イルミダスがハーロックにとって恐怖の対象ではないと述べています。これは、さらなる冒険へと進んでいくためのステップであったと考えられます。

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