イルヨ・カイセ

イルヨ・カイセ：ベルギーが生んだトラックレースのスペシャリスト

イルヨ・カイセ（Iljo Keisse、1982年12月21日生まれ）は、ベルギーのヘント出身の自転車競技選手です。彼は特に6日間レースを中心としたトラックレースでその名を知られており、数々の勝利を収めています。

経歴

カイセはプロに転向する以前から、マディソン、ポイントレース、スクラッチといった長距離系のトラック種目を専門としてレースキャリアを積んできました。2004年からは6日間レースにも参加し始め、翌2005年にはマシュー・ギルモアとのコンビでフィオレンツオーラ・ダルダ6日間レースで初優勝を果たしました。

2011年2月7日時点で、カイセは6日間レースで13勝を挙げており、同レースではトップスターとしての地位を確立しています。特に、彼の出身地であるヘントで開催される6日間レースでは、初参加の2005年に加えて、2007年と2008年にも優勝しており、地元での強さを見せています。2006年の大会では、レース途中で打ち切りとなってしまいましたが、それまではトップを走っていました。マシュー・ギルモアの引退後は、主にドイツのロベルト・バルトコとペアを組むことが多く、オリンピック、世界自転車選手権、国内選手権などの国別対抗戦では、チームメイトであるケニー・デケテルとマディソンに出場することがあります。

ドーピング問題とその後

2008年12月9日、ヘント6日間レースの最終日に採取されたAサンプルからドーピング陽性反応が検出されたため、カイセは所属チームであるトップスポート・フラーンデレンからレースの出場停止処分を受けました。その後のBサンプルでも陽性反応が出たため、トップスポート・フラーンデレンを解雇されることとなりました。ドーピングの理由はカチンとマスキング剤の使用によるものでした。しかし、その後、ドーピング使用疑惑に関する一連の告発は証拠不十分としてベルギー自転車競技連盟によって取り下げられました。

2010年、カイセはクイックステップに移籍しました。同年7月7日、スポーツ仲裁裁判所（CAS）は、2011年8月6日までの出場停止処分をカイセに下しました。しかし、カイセはCASの裁定に不服を申し立て、ブリュッセル裁判所に異議申し立てを行いました。さらに、UCI（国際自転車競技連合）は、この件がベルギー国内における係争事項であり、国際法の適用にはあたらないと解釈したため、カイセは2010年のヘント6日間レースおよび2011年のロッテルダム6日間レースに出場することができました。

主な優勝実績（6日間レース）

2005年：フィオレンツオーラ・ダルダ（マシュー・ギルモアと）
2005年：ヘント（マシュー・ギルモアと）
2007年：ヘント（ロベルト・バルトコと）
2008年：ヘント（ロベルト・バルトコと）

選手名について

一部の自転車競技ウェブサイトでは、「-ljo」の部分を「リョ」、「Kei-」の部分を「ケイ」と表記し、「イリョ・ケイセ」と紹介されていることもあります。

外部リンク

ILJO KEISSE (オランダ語、英語)
イルヨ・カイセ - サイクリングアーカイヴス

もう一度検索