イロマンツィの戦い

イロマンツィの戦い

イロマンツィの戦いは、1944年7月26日から8月13日までの間、フィンランドとソビエト連邦の間で繰り広げられた重要な戦闘です。この戦闘は、継続戦争におけるフィンランド軍の最後の大規模な成功となり、場所はフィンランド北部のカレリア地方、特にイロマンツィ村周辺です。ここでは、フィンランド軍がソビエト軍に対して防衛戦を行い、大きな勝利を収める結果となりました。

戦闘の背景

戦闘の前、フィンランド軍はEkman大佐指揮下の第21旅団が主力でありましたが、急遽増強された騎兵旅団と共に、合計で13000名の兵力を確保しました。一方、ソビエト軍はキリル・メレツコフ中将の指揮の下、約16000名で侵攻を図り、包囲を狭めていきました。

攻撃が開始された1944年7月21日、ソ連軍はフィンランドの意表を突く形で効果的な侵攻を行っていたものの、フィンランド軍は援軍が到着する7月28日以降、反撃の準備を進めていました。フィンランド軍はUtrio地域を中心に、森林戦に長けた騎兵部隊を用いてソ連軍の師団間に割り込む戦術を採用しました。

戦闘の経過

初期段階ではソ連軍が順調に攻勢を進めていましたが、フィンランド軍の反撃はその後の局面を一変させました。特に8月1日になると、フィンランド軍はモッティ戦術を駆使し、ソビエト第176師団の退路を封鎖することに成功しました。この戦術のおかげで、フィンランド軍は数日後に両ソ連師団を包囲し、戦局を有利に進めました。

ソ連軍は機甲支援を得ようとしましたが、フィンランド側の防衛が堅固なことからなかなか効果を発揮できませんでした。最終的には、包囲されたソ連軍の多くが武器を捨てて逃亡せざるを得ない状況に追い込まれました。

戦闘の結果

イロマンツィの戦いの結果、ソビエト軍は大きく戦力を削がれ、3200名以上の戦死者を出したとされています。また、フィンランド軍は多くの重砲や車両を鹵獲し、この戦闘の勝利によってフィンランドの指揮官エリッキ・ラーッパナの名声が高まりました。

さらに、フィンランドはこの戦闘を9度目の防衛勝利として掲げ、モスクワのソ連軍部に対し、フィンランドが戦局の主導権を握っていることを強く印象付けました。戦後、休戦協定が結ばれ、フィンランドは自国の自治を保つことに成功しました。

その後の評価

1994年にイロマンツィの戦いの50周年を迎えた際、フィンランドの指導者たちはこの戦役がもたらした意義について述べました。フィンランドは独立を守り、自らの民主主義を維持した戦いとして語り継がれているのです。戦闘はフィンランドとソ連の間での重要な歴史的事件として、多くの文献や記録に残されています。戦いの後、フィンランドには強固な国防の重要性が再認識されることとなり、その結果として、国民の結束が一層深まりました。

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