インクリボンは、
タイプライター、
プリンター、
ファクシミリなどの印字装置で用いられる、
インクを塗布または含浸させた帯状のフィルムや繊維のことです。主にドットインパクト
プリンターや熱転写
プリンターで利用され、文字や記号を紙に転写する重要な役割を果たしています。また、
インクリボンを格納する
カートリッジ自体を指すこともあります。
タイプライターやドットインパクト
プリンターでは、
インクリボンは文字や記号を紙に転写するための
インクを保持する役割を担います。これらの
プリンターでは、活字を植え付けたハンマーや細いワイヤピンが、
インクリボンを介して印字用紙に機械的に打ち付けられ、
インクが転写されることで文字が印字されます。また、レシート印字機や
プリンター電卓のように、用紙の裏で回転する活字ドラムに表からハンマーを打ち付ける方式でも、同様の
インクリボンが使用されます。
熱転写方式の
プリンターでは、帯状のフィルムに
インクが塗布された
インクリボンが用いられます。この方式では、熱を加えることで
インクを紙に転写します。熱で
インクを溶かして紙に付着させる「熱溶融型
プリンター」と、
インクを昇華させて紙に転写する「昇華型
プリンター」の2種類があります。
インクリボンの形状と種類
インクリボンは、ロール式と
カートリッジ式の2つの形状があります。素材としては、
インクをしみこませた布やフィルムなどが用いられます。使用方法としては、巻き直して繰り返し使用するもの、1回のみ使用して廃棄するもの、そしてループ状になったものがあります。ループ状の
インクリボンの中には、一度ひねって
メビウスの帯のようにすることで、リボンの長さの4倍の有効長を持つものもあります。
インクリボンの色は、単色のものから、黒・赤・修正用の白など複数の色が数段に並んだものまであります。これにより、多様な印字ニーズに対応できます。
インクリボンは、その種類や使用方法によって、様々な印字ニーズに対応できる重要な消耗品です。
プリンターの種類や目的に合わせて適切な
インクリボンを選ぶことが、高品質な印刷物を生み出す上で重要となります。