インクレディコースター

ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーのピクサー・ピアエリアに位置する「インクレディコースター」は、スリル満点のローラーコースタータイプのアトラクションです。かつて同地で人気を博した「カリフォルニア・スクリーミン」を大規模にリニューアルする形で誕生し、2018年6月23日にゲストを迎え始めました。

概要と特徴

このアトラクションは、ピクサー映画『Mr.インクレディブル』シリーズの世界観を忠実に再現しており、家族や友人と共に映画の登場人物になったような体験ができます。ディズニーランド・リゾート全体を見渡しても、このコースターが唯一、走行中に360度の宙返りを含む設計となっています。

コースの大部分は屋外に張り出しており、開放感あふれる環境でのライドを楽しめます。スタート直後、ライドはリニアモーターの強力な推進力により、あっという間に最高時速90kmに達します。このスタートダッシュの速度は、世界のディズニーパークに存在する様々なアトラクションの中でも特に速い部類に入ります。その後のコースでは、いくつものアップダウンが連続し、浮遊感と遠心力を伴うスリリングな展開が繰り広げられます。コース中盤の見どころの一つとして、太陽を模した巨大なシンボルの前を通過する際に、大きな宙返りアクションが含まれています。

アトラクションのストーリー

「インクレディコースター」のアトラクション体験には、ユニークな物語が設定されています。地元の人々が日頃の感謝を込めて、スーパーヒーローであるパー一家にこの新しいローラーコースターをプレゼントするというシチュエーションから始まります。一家は、スーパーヒーローコスチュームのデザイナーとして知られるエドナ・モードと共に、このコースターの発表会に出席することになります。

しかし、事態は予期せぬ方向に進みます。発表会中に、予測不能な超能力を持つ末っ子のジャック・ジャックが、エドナ・モードの目を盗んで逃げ出してしまいます。ジャック・ジャックは、コースターが通過するトンネルの中をテレポーテーションしながら移動し、様々な超能力を次々と発動させていきます。その結果、コースター上では大混乱が巻き起こり、ゲストはパー一家と共にジャック・ジャックを追いかけるエキサイティングな冒険を体験することになります。

前身「カリフォルニア・スクリーミン」について

現在のインクレディコースターの前身にあたる「カリフォルニア・スクリーミン」は、長年にわたり多くのゲストに親しまれたアトラクションでした。インクレディコースターへのリニューアルに伴い、デザインやテーマが大きく変更されましたが、コースレイアウトの多くは引き継がれています。

最も顕著な変更点の一つは、コースターのシンボルです。以前、宙返りが行われる場所に設置されていたシンボルは、ディズニーの象徴であるミッキーマウスのシルエットでした。しかし、パーク全体のリニューアルプロジェクトの一環として、現在の太陽のシンボルへと変更されました。また、カリフォルニア・スクリーミン時代は、夜間にパラダイス・ピア（現ピクサー・ピア）一帯で開催される水上ショー「ワールド・オブ・カラー」の準備や実施のため、比較的早い時間に運営を終了することがありました。2010年からは、乗り場での安全に関するアナウンス音声が、俳優のニール・パトリック・ハリス氏の声に変更されるなど、細かいアップデートも行われていました。インクレディコースターへのリニューアル準備のため、カリフォルニア・スクリーミンは2018年1月8日をもってその歴史に幕を閉じました。

インクレディコースターは、前身の人気を引き継ぎつつ、『Mr.インクレディブル』のテーマとジャック・ジャックの物語が加わることで、さらに魅力的なアトラクションへと進化しました。

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