インゴルフ・モルク

インゴルフ・モルク：伝説のノルウェー人スキージャンプ選手

インゴルフ・モルク（Ingolf Mork、1947年6月4日 - 2012年2月1日）は、ノルウェー、ムーレ・オ・ロムスダール県モルデ出身のスキージャンプ選手でした。彼のキャリアは、1970年代初頭にピークを迎え、数々の国際的な大会で素晴らしい成績を収めました。

輝かしい競技歴

モルクは、1970年ノルディックスキー世界選手権で国際的な舞台に登場しました。70m級では1本目で4位につける健闘を見せましたが、2本目で順位を落とし9位となりました。90m級では25位という結果でした。

1970-1971シーズンのジャンプ週間では、4戦中3勝という圧倒的な強さを見せつけました。しかし、第3戦インスブルックで16位に終わり、総合優勝はイジー・ラシュカに譲り、2位となりました。翌1971年には、伝統あるホルメンコーレン大会で優勝を果たしました。

1971-1972シーズンのジャンプ週間では、開幕から3連勝した笠谷幸生が最終戦を欠場したこともあり、前年とは対照的に1勝もすることなく総合優勝を手にしました。このシーズンは、彼のキャリアにおけるハイライトの一つとなりました。

1972年札幌オリンピックでは、70m級で日本勢に次ぐ4位入賞を果たしました。90m級では28位という結果でした。同年、ホルメンコーレン大会では前年に続いて2連覇を達成し、その実力を改めて証明しました。国内選手権では、1971年、1972年と70m級で2連覇を達成しました。しかし、1972年シーズンを最後に、惜しまれつつも現役を引退しました。

1973年には、長年の功績が認められ、ホルメンコーレン・メダルを受賞しました。同時受賞者は、アイナル・ベルクスラントとフランツ・ケラーでした。

2012年2月1日、モルクは病気のため64歳で亡くなりました。彼の死は、ノルウェースキージャンプ界にとって大きな損失となりました。

笠谷を肩車した4位の選手

モルクは、札幌オリンピック70m級ジャンプで、日の丸飛行隊（笠谷幸生、金野昭次、青地清二）が1位から3位までを独占した際に4位となった選手として知られています。メダル獲得を逃したモルクでしたが、試合後には悔しさを堪え、優勝した笠谷幸生を肩車してその偉業を称えました。この行為は当時「笠谷を肩車した4位の外人選手」として、多くの人々の感動を呼びました。

インゴルフ・モルクは、その卓越した技術とスポーツマンシップで、ノルウェースキージャンプ界に大きな足跡を残しました。彼の名は、今後も長く語り継がれることでしょう。

参考資料

インゴルフ・モルク - 国際スキー連盟のプロフィール (https://data.fis-ski.com/dynamic/athlete-biography.html?sector=JP&competitorid=41346&type=result)
ホルメンコーレンメダル受賞者一覧 (http://www.holmenkollen-skijump.com/ShowBinary.ashx?filestreamvalue=Files/Medaljevinnere.pdf)
ホルメンコーレン大会優勝者一覧 (http://www.holmenkollen-skijump.com/ShowBinary.ashx?filestreamvalue=Files/Vinnere.pdf)
インゴルフ・モルク - Olympedia (https://www.olympedia.org/athletes/95890)

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