インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ

インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ（ISS）について

インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ（ISS）は、機関投資家に向けた議決権行使の助言を専門とするアメリカの企業です。ISSは、企業の株主総会における議案に対して独自に策定されたポリシーをもとに、賛否の推奨を行います。ISSの主な競合としては、グラスルイスが挙げられます。

ISSの歴史

ISSは1985年に設立され、以来、機関投資家のニーズに応じたサービスを提供してきました。その中で、ISSは他社との合併や買収を通じて事業を拡大し、専門性を高めています。

2015年9月には、持続可能な投資（SRI）リサーチなどのサービスを提供する Ethix SRI Advisors を買収しました。この買収により、ISSはESG（環境・社会・ガバナンス）関連の情報提供能力を強化しました。

また、2017年1月には、ESG調査を行う IW Financial を、同年6月には、サウスポールグループの投資気候データ関連の部門である Climate Neutral Investments（CNI）を買収しました。これにより、企業の気候リスクを評価・分析するスキルを更に向上させました。

2018年には、キャッシュフローに基づく企業の業績分析を手掛ける EVA Dimensions 社と、ESG格付けやデータを提供する oekom AG をそれぞれ買収し、企業のパフォーマンスを多面的に評価する基盤を整えました。

2019年2月には、オーストラリアの調査会社 CAER を買収し、同社は2000年から投資先企業のESG方針や慣行について情報開示を監視してきた実績があります。これにより、ISSは国際的なESGの標準に基づく評価を強化しました。

さらに、2020年10月には、サイバーリスクの測定・管理を支援する FICO サイバーリスクスコア事業を買収し、企業が直面する新たなリスクへの対応を強化しました。法人がもたらすサイバー脅威への理解を深め、そのリスクを軽減するための支援を行っています。

そして2021年2月には、米国の地方自治体市場向けにESGスコアリングサービスを提供する ACRe Data 社が買収されました。この取り組みにより、米国市場におけるESG評価の質と範囲を拡大しました。

ISSは、これらの買収を通じてESGデータの収集・分析能力を高め、機関投資家に対し、変化する市場環境や投資政策に応じた価値ある情報を提供し続けています。ISSのサービスは、企業のガバナンス、透明性、および持続可能性の向上に寄与すると同時に、機関投資家がしっかりとした意思決定を行うための基盤を提供しています。機関投資家としての活動を円滑にするために、ISPの助言は今後も非常に重要な役割を担うことでしょう。

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