インターカラー

インターカラー：世界の色彩トレンドを牽引する機関

インターカラー(Intercolor)、正式名称は国際流行色委員会(International Commission for Color)は、世界の色彩トレンドを予測し、発信する国際的な民間団体です。1963年、フランス、スイス、日本の主導で設立されたインターカラーは、世界各国の代表機関から構成され、ファッション、コスメティック、工業製品など、多岐にわたる業界の色彩デザインに大きな影響を与えています。

発足と歴史

1963年9月9日、パリで最初の国際会議が開催されました。日本からは色彩学の権威である稲村耕雄氏が代表として参加。発足当初はフランス、スイス、日本に加え、西ドイツ、ベルギー、スペイン、イギリス、イタリア、オランダ、スウェーデン、アメリカ合衆国など、ヨーロッパを中心に11ヶ国が参加しました。

活動内容と選定プロセスの詳細

インターカラーは、加盟各国から1団体ずつ選出された代表機関によって構成されています。年に2回開催される会議(Intercolor Congress)では、春夏コレクション向け（6月）と秋冬コレクション向け（12月）の流行色が決定されます。選定プロセスは、各国代表機関が事前に選定した数百色の中から、議論を重ね、最終的に20～30色が選ばれます。会議では、主にヨーロッパで開催され、約500色の候補の中から、素材や用途など、様々な観点から総合的に判断されます。

加盟国の変遷と日本の役割

インターカラーの加盟国は時代とともに変遷しています。2020年時点では、中国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、インドネシア、イタリア、日本、ポルトガル、韓国、スペイン、スイス、タイ、トルコ、アメリカ合衆国など、世界各国が参加しています。過去にはオーストリア、コロンビア、チェコ、ルーマニアなども加盟していました。日本におけるインターカラーの代表機関は、一般社団法人日本流行色協会内の「インターカラー日本委員会」です。

インターカラー選定色の産業への波及効果

インターカラーで選定された色は、各業界において、比較的早い段階で発表される流行色情報として活用されています。特にファッション業界では、選定色決定から市場に出回るまで、明確なスケジュールに基づいて展開されます。選定直後には素材やデザインが決定され、約1年前には試作品が展示会で発表され、約半年前には本格的な展示会や発表会が開催されます。その後、大量生産を経て、一般消費者へ販売され、「最新のトレンド」として受け入れられます。

インターカラーの意義

インターカラーは、単なる流行色予測機関にとどまらず、世界の色彩トレンドをリードする重要な役割を担っています。各国代表機関による議論と情報共有を通して、国際的な色彩調和と産業の発展に貢献しています。その活動は、ファッション、デザイン、そして私たちの生活に大きな影響を与え続けています。

今後の展望

グローバル化が加速する現代において、インターカラーの役割はますます重要性を増しています。今後、デジタル技術の活用や、サステナビリティへの配慮など、新たな課題への対応が求められるでしょう。インターカラーは、世界の色彩文化を豊かにし続けるため、時代の変化に対応しながら、活動を継続していくことが期待されます。

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