インターコンチネンタルカップ (サッカー)1993

インターコンチネンタルカップ1993

1993年のインターコンチネンタルカップは、12月12日に東京の国立霞ヶ丘競技場で行われました。この大会はサッカーの世界一決定戦として位置付けられ、トヨタカップという名で14回目の開催となりました。しかし、開催前に重大な事件が発生しました。UEFAチャンピオンズリーグの優勝チーム、オリンピック・マルセイユに八百長が発覚し、その出場権が剥奪されたため、急遽準優勝チームであるACミランが大会に参加する運びとなりました。

試合は多くの期待を集める中、サンパウロとミランの対戦として興行されました。試合開始前、サンパウロの選手カテはメンバー外となったものの、ミランもいくつかの怪我人を抱えていました。特に、ズボニミール・ボバンやブライアン・ラウドルップ、さらに怪我の復帰途中にあたるジャンルイジ・レンティーニが遠征メンバーから外れ、デヤン・サビチェビッチも1991年大会での退場処分のため出場が認められない事態にありました。その結果、フロリン・ラドチョウが代わりに出場することになりましたが、試合開始数時間前にサビチェビッチが出場可能との通知が入ったものの、試合への参加メンバーや戦略が既に決まっていたため、彼はメンバーから外れることとなりました。この決定について、ミランのファビオ・カペッロ監督は後にプラン変更をしてでもサビチェビッチを起用しなかったことを悔い、ラドチョウのパフォーマンスが悪かったことも相まってその判断が問題視されました。

試合はサンパウロの先制点から始まりました。前半19分、カフーのクロスからパリーニャが得点を決め、サンパウロが1-0とリードしました。一方、ミランはダニエレ・マッサーロがペナルティエリア外からのダイレクトボレーで反撃を試みますが、これはクロスバーに阻まれ得点には至りませんでした。

試合の流れは後半に入って変化し、3分にはミランがマルセル・デサイーのパスを受けたマッサーロがスライディングシュートを放ち同点に追いつきました。59分にはサンパウロがレオナルドのアシストで再びリードを奪い、トニーニョ・セレーゾが得点しました。しかし81分、ミランはロベルト・ドナドーニからのパスで再度同点に持ち込みました。

試合は最終局面を迎え、88分にはセレーゾがミューレルに浮き球のパスを送り、ミランのGKセバスティアーノ・ロッシとミューレルが接触し、こぼれ球がそのままサンパウロの手に渡る形でゴールが決まりました。この得点によってサンパウロが勝ち越し、試合はそのまま終了。サンパウロは2度目の優勝を決め、トニーニョ・セレーゾがMVPに輝くこととなりました。

この大会は、サッカー史における名場面と選手たちのドラマを生んだ試合となり、ファンにとっても忘れられない瞬間を残しました。

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