インターネットデータセンター

インターネット データセンター（iDC）について

インターネットデータセンター（iDC）は、特にインターネット接続に特化したデータセンターを指し、ネットワーク機器やサーバーの設置、保管、安全な運用を行う場所です。これらの施設は、高度なセキュリティや災害耐性を誇る設計が施されており、インターネットを介したさまざまな通信サービスへのアクセスを提供します。

iDCの基本機能

iDCは、外部と接続するための信頼性の高い通信回線を提供するだけでなく、運用や監視業務も担っています。障害が発生した場合には、迅速に通知や対処を行う体制が整えられており、顧客に対して安心感を提供することが求められています。多くのiDCでは、SLA（サービスレベルアグリーメント）が設定され、事業者によるサービスの品質や対応が保証されています。もし事業者側に不備があった場合には、サービス品質の低下に対し、利用料金の減額や返金が行われることがあります。

特徴的なサービス

iDCでは、契約している複数のISP（インターネットサービスプロバイダ）やインターネットエクスチェンジ（IX）を通じて、広帯域のインターネットバックボーンを提供しています。これにより、障害が発生した場合でも、他の経路に自動で切り替わる仕組みが確保されています。大規模なiDCでは、施設内にIXが設置される場合もあります。

さらに、顧客のニーズに合わせて、障害発生時の対応や業務処理、データのバックアップなど各種オペレーションもサポートしています。また、大量のデータを迅速に配信するためのコンテンツデリバリネットワーク（CDN）の機能を兼ね備えるiDCも増えています。

クラウドサービスとiDCの進化

近年、クラウドサービスの急速な発展により、ハイパースケールデータセンター（HSDC）が登場し、新たなデータセンターの形態が生まれています。これに伴い、企業間接続のためのコネクティビティデータセンターや、一般事業者向けのエンタープライズデータセンターが設置され、ますます多様化しています。

歴史的背景

iDCが登場したのは1990年代に遡り、インターネットの利用が広まる中で、情報処理サービス事業者から派生したものです。1990年代初頭には大企業向けの電算センターが主流でしたが、都市部のインターネットエクスチェンジの発展に伴い、iDCの需要が高まりました。2000年代に入ると、業務のアウトソーシングが一般化し、データセンターは郊外などスペースが十分に確保できる場所にシフトしました。2010年代以降は、クラウド事業者向けに特化したデータセンターの需要が急増し、これに応じたiDCの進化が続いています。

提供される具体的サービス

- コネクティビティ: 帯域幅保証のある通信回線を提供
- 専用ラック: 冗長化された電源付きの専用ラック
- 専用ケージ: 個別に施錠された空間
- 各種オペレーション: サーバの管理、入退館管理
- レポート作成: トラフィックや稼動状況の報告
- 監視オペレーション: 機器やプロセスの状態把握
- 脆弱性調査: セキュリティ面の分析やコンサルティング
- ヘルプデスク: システムに関する顧客対応
- 決済サービス: 各種決済手段の提供

データセンターの日

日本記念日協会は、12月1日を「データセンターの日」として認定しました。この日は、データセンターの重要性を再認識し、業界の発展を促すことを目的としています。

このように、iDCはインターネットの土台を支える重要な役割を果たしており、そのサービスの多様性と運用体制は、今後ますます進化し続けることでしょう。

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