インターネット博覧会

インターネット博覧会（インパク）の概要

インターネット博覧会（通称インパク）は、日本政府のミレニアム記念事業として2000年から2001年にかけて実施された、ネット上での大規模イベントです。経済企画庁長官であった堺屋太一の提案に基づき、国の経済振興策の一環として行われました。当初、インターネットを活用した博覧会形式のイベントとして「楽網楽座（らくもうらくざ）」という愛称が付けられ、多くの人々に広がりを見せました。

背景と発案

1999年、小渕恵三内閣が策定した経済新生対策の一環として、2001年には「新千年紀記念行事」としてインターネット博覧会が企画されました。堺屋が発案したこのイベントは、日本が諸外国に比べて遅れているインターネット環境を整えることを目指しています。インターネットを用いるこの新しい形の博覧会は、「史上初」という触れ込みと共に行われましたが、実際には類似したイベントも存在しました。

イベントの詳細

インターネット博覧会では、企業や団体によるテーマ別のウェブサイト（パビリオン）が設置され、合計507件が参加しました。これには特定のテーマを持つ枠と自由参加枠が含まれています。地方自治体からも広く参加があり、東京を除く46道府県と16都市が関連していました。イベント期間中、約6千万人がウェブサイトにアクセスしました。

主催と著名な関係者

イベントは総務省の新千年紀記念行事推進室が主催し、堺屋太一が担当大臣としてイベントの進行を担いました。その後、経済財政政策担当大臣の竹中平蔵へと引き継がれました。また、民間からの支援団体としてインターネット文化振興協会が設立され、当時のトヨタ自動車会長である奥田碩が理事長に就任しました。
日本語や英語など、様々な言語でコンテンツが提供され、その中には荒俣宏、糸井重里など著名な人物も参加しました。

結果と評価

最終的な成果として、パビリオンへのアクセス数は年間で5億3300万回に達しましたが、経済効果については賛否が分かれました。税金110億円が投入されたにもかかわらず、期待された経済効果を得ることができなかったという批判が広がりました。メインゲートは会期終了後わずか1カ月で削除され、企業の関連サイトもすぐに閉鎖されました。

その後の影響

インターネット博覧会は、ITの普及には寄与したとの声もありますが、当時のインターネット接続環境の遅れが影響し、多くの人々にとって楽しむことは難しかったとされています。特にナローバンド接続の地域では、インパク関連の重いサイトにアクセスすることができず、逆にこの事実がIT化の進展を妨げたとも言われています。

一つの成功例として、「みんなで学ぼうIT講座」があります。この講座は2008年まで続き、内閣総理大臣当時の森喜朗が登場するなどして話題にもなりました。

総括

インターネット博覧会を通じて、日本はインターネット環境の整備を強く意識し、様々な取り組みを行いましたが、同時に多くの課題も浮き彫りになりました。当初の目標を達成することができたかどうか、今なお関心が寄せられています。

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