インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクール

インディアナ国際ヴァイオリン・コンクール

インディアナ国際ヴァイオリン・コンクール（International Violin Competition of Indianapolis）は、アメリカ合衆国インディアナ州の州都インディアナポリスを舞台に開催される、若きヴァイオリニストたちの才能を競う国際的な音楽コンクールです。このコンクールは、世界中から集まる才能ある奏者たちにとって重要なステップの一つとなっています。

設立と歴史

この権威あるコンクールは、1982年にトーマス・J・ベツキェヴィチ氏やジョーゼフ・ギンゴールド氏といった音楽関係者たちの提唱によってその第一歩を踏み出しました。初回開催以降、4年という周期で継続されており、クラシック音楽界における新星を発掘する役割を担っています。世界の主要な音楽コンクールが加盟する国際音楽コンクール連盟の一員でもあり、その地位は国際的に認められています。

コンクールの特色

インディアナ国際ヴァイオリン・コンクールが他の多くのコンクールと一線を画す点として、まずその極めて詳細な課題曲の指定が挙げられます。国際的なコンクールを見渡しても、これほど細かく演奏作品が定められている例は他にほとんどありません。そのため、出場者は幅広い時代やスタイルの楽曲を習得している必要があります。

課題曲の中には、日本のコンサートホールでは普段あまり演奏される機会のない、聴衆にとって比較的馴染みの薄い作品が含まれることも特徴の一つです。また、特にアメリカの現代音楽の作曲家による作品の演奏が必修とされており、アメリカの音楽文化を紹介し、その振興を図る側面も持っています。ただし、審査の傾向には特定の偏りが見られるという指摘も一部には存在します。

歴代の栄光

過去の開催では、多くの著名なヴァイオリニストたちがこのコンクールを経て世界へと羽ばたいています。ここでは、第1回から第11回までの優勝者を中心に、主な入賞者を紹介します。入賞者の顔ぶれからは、コンクールの国際性の高さと、輩出してきた才能の豊かさが伺えます。

第1回（1982年）
第1位：ミハエラ・マルティン（ルーマニア）
第2位：アイダ・カヴァフィアン（アメリカ）
第3位：ユヴァル・ヤロン（イスラエル）
... 第6位：長沼由里子（日本）

第2回（1986年）
第1位：竹澤恭子（日本）
第2位：レオニダス・カヴァコス（ギリシャ）
第3位：アンドレス・カルデネス（アメリカ）
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第3回（1990年）
第1位：パヴェル・ベルマン（ロシア）
第2位：マルコ・リッツィ（イタリア）
第3位：イヴァン・チャン（アメリカ）
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第4回（1994年）
第1位：ジュリエッテ・カン（カナダ）
第2位：ステファン・ミレンコヴィッチ（ユーゴスラヴィア）
第3位：デイヴィッド・チャン（アメリカ）
... 第5位：神谷美千子（日本）

第5回（1998年）
第1位：ジュディス・インゴルフソン（アイスランド）
第2位：リヴィウ・プルナル（ルーマニア）
第3位：ペク･ジュヤン（韓国）
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第6回（2002年）
第1位：バルナバーシュ・ケレメン（ハンガリー）
第2位：セルゲイ・ハチャトゥリアン（アルメニア）
第3位：キム・スビン（アメリカ）
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第7回（2006年）
第1位：アウグスティン・ハーデリヒ（ドイツ）
第2位：シモーネ・ラムスマ（オランダ）
第3位：セレステ・ゴールデン（アメリカ）
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第8回（2010年）
第1位：クララ＝ジュミ・カン（ドイツ／韓国）
第2位：ヨン・ソヨン（韓国）
第3位：ベンジャミン・ベイルマン（アメリカ）
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第9回（2014年）
第1位：チョ・ジンジョ（韓国）
第2位：テッサ・ラーク（アメリカ）
第3位：リム・ジヨン（韓国）
第4位：キム・ダミ（韓国）
第5位：ジャン・ヨジン（韓国）
第6位：イ・ジユン（韓国）

第10回（2018年）
第1位：リチャード・リン（アメリカ／台湾）
第2位：外村理沙（日本）
第3位：ルーク・フー（アメリカ）
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第11回（2022年）
第1位：シレーナ・フアン（アメリカ合衆国）
第2位：ジュリアン・リー（アメリカ合衆国）
第3位：吉田 南（日本）
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日本人ヴァイオリニストも複数入賞しており、特に第2回では竹澤恭子氏が優勝するなど、日本からの参加者も活躍を見せています。

インディアナ国際ヴァイオリン・コンクールは、その独特な課題曲選定と歴史を通じて、若手ヴァイオリニストのキャリア形成において重要な役割を果たし続けています。

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