インディラ (映画)

インド映画『インディラ』(1995) - 圧倒的な映像美と人間ドラマ

1995年公開のインド映画『インディラ』(原題:Indira)は、数々の受賞歴を誇るA・R・ラフマーンが手掛けた音楽と、名カメラマン、サントーシュ・シヴァンの繊細な映像美が融合した、感動的なヒューマンドラマです。監督を務めたのは、スハーシニ・マニラトナム。彼女にとって本作は唯一の長編映画作品となっています。

主演は、インドを代表する女優の一人であるアヌー・ハーサン。アルヴィンド・スワーミ、ナーサル、ラーダー・ラヴィら実力派俳優たちが脇を固め、豪華なキャスト陣が織りなす人間模様は、観る者の心を深く揺さぶります。

物語は、主人公インディラの人生を丁寧に描きます。幼少期から大人になるまで、様々な困難や喜びを経験しながら成長していくインディラの姿は、多くの共感を呼びます。彼女の葛藤や心の変化は、アヌー・ハーサンの圧倒的な演技力で鮮やかに表現されており、見る者をインディラの感情世界へと引き込みます。

映画の魅力は、ストーリーだけでなく、映像美にもあります。サントーシュ・シヴァンによる撮影は、インドの豊かな自然や文化を美しく捉え、物語の世界観をさらに深めています。特に、感情の機微を繊細に表現したシーンの数々は、見る者の心に強く印象を残します。

監督のスハーシニ・マニラトナムは、映画プロデューサーのチャンドラハーサンの娘であり、主演のアヌー・ハーサンとは従妹同士という関係性にあります。彼女は、本作の撮影について、「新人女優にとっては、とても重いタイトルでした。しかし、ストーリーラインに動かされ、感情が圧倒される場面がありました。涙のシーンでグリセリンを使用したことは一度もありませんでした」と語っており、作品への並々ならぬ情熱が感じられます。

『インディラ』は、タミル・ナードゥ州映画賞で撮影賞と特別賞を受賞しており、その高い評価は、作品クオリティの高さを証明しています。音楽、映像、演技、そしてストーリー、全ての要素が完璧に調和した本作は、インド映画史に残る名作と言えるでしょう。

映画の主要登場人物は以下の通りです。

インディラ：アヌー・ハーサン
テャーグ：アルヴィンド・スワーミ
セートゥパティ：ナーサル
コータマラヤル：ラーダー・ラヴィ
カナクピラーイ：ジャナガラージュ
P・L・ナーラーヤナ
幼少期のインディラ：モーニカ
大臣：チャンドラハーサン

副監督はV・プリヤが務めました。

『インディラ』は、単なる娯楽作品を超えた、人間の生き様を深く見つめた作品です。インド映画に興味のある方、感動的な物語を求める方、そして美しい映像美を堪能したい方、全ての方々に強くお勧めできる、忘れがたい一本です。

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