インドの山岳鉄道群

インドの山岳鉄道群は、ユネスコの世界遺産に登録されている貴重な鉄道遺産です。当初は1999年にダージリン・ヒマラヤ鉄道のみが「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」として登録されました。その後、2005年にニルギリ山岳鉄道が登録対象に加わり、名称が現在の「インドの山岳鉄道群」に変更されました。2008年には、カールカー＝シムラー鉄道が拡大登録され、その価値が世界的に認められました。

現在運行中の山岳鉄道としては、マテラン登山鉄道も存在します。インド政府は当初、この鉄道も世界遺産への拡大登録を目指していましたが、2010年の第34回世界遺産委員会において、ICOMOS（国際記念物遺跡会議）が不登録を勧告し、さらなる拡大登録を見送るよう要請しました。これを受け、インド政府は推薦を辞退しました。

登録基準に関して、この世界遺産は以下の基準を満たし、登録されています。

(2) ある期間を通じて、またはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すものであること。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた例であること。

これらの基準が示すように、インドの山岳鉄道群は、単なる交通手段としてだけでなく、人類の文化や技術の発展、そして美しい景観を伝える重要な役割を担っています。

関連事項

インドの鉄道
ダージリン・ヒマラヤ鉄道
ニルギリ山岳鉄道
カールカー＝シムラー鉄道

これらの鉄道は、インドの豊かな自然と歴史、文化を体現する貴重な遺産であり、その保存と継承が重要視されています。 鉄道ファンのみならず、歴史や文化に興味のある方にとっても、魅力的な観光資源となっています。

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