インナー・シティ・レコード

インナー・シティ・レコードは、1976年にアーヴ・クラッカによってニューヨークで設立されたジャズ専門のレコード会社およびレーベルです。ミュージック・マイナス・ワンの一部門として発足し、クラシック・ジャズというレーベルも所有していました。

当初はジャズの再発盤を中心に扱っていましたが、その後、多様なスタイルのジャズを網羅する新たなレコーディング・レーベルへと発展しました。その幅広い音楽性と高品質な音源提供により、短期間でジャズファンからの信頼を獲得し、数々の名盤を世に送り出しました。

1976年から1980年までのわずか数年間で、インナー・シティ・レコードは60枚以上のアルバムをリリースするという驚異的な記録を打ち立てました。その功績が認められ、1979年には権威ある「国際ジャズ批評家投票」において、見事「レコード・レーベル・オブ・ザ・イヤー」に選出されました。

インナー・シティ・レコードは、アメリカ国内だけでなく、海外のジャズシーンにも大きな影響を与えました。特に、日本のジャズシーンとの繋がりは深く、多くの作品が日本のイースト・ウィンド・レコードからもリリースされています。サム・モリソンの『砂丘』、ザ・スリー（ジョー・サンプル、レイ・ブラウン、シェリー・マン）といった海外アーティストの作品に加え、渡辺貞夫や日野皓正など、日本を代表するジャズミュージシャンのアルバムも積極的にリリースしていました。

インナー・シティ・レコードは、1980年代以降、活動を縮小しましたが、その短い活動期間に残した功績は、今日のジャズシーンにおいても高く評価されています。特に、埋もれていた才能の発掘や、多様なジャズスタイルの紹介に貢献した点は特筆に値します。彼らがリリースしたアルバムは、現在でも多くのジャズファンに愛され続けており、ジャズの歴史において重要な役割を果たしたレーベルとして記憶されています。

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