インハウスローヤー

インハウス・ローヤーとは

インハウス・ローヤー（組織内弁護士または企業内弁護士）は、企業や官公庁に勤務する弁護士を指します。特に企業に所属する場合は「企業内弁護士」と呼ばれ、行政機関に所属する場合は「行政庁内弁護士」と呼ばれます。彼らは、組織内で法的な役割を担い、主に法務部門で業務を行います。

アメリカにおける状況

アメリカ国内では、インハウス・ローヤーの数は約18万人におよび、その中で9万人が政府機関に、約8万人が企業で働いているとされています。インハウス・ローヤーが所属する団体には、企業内弁護士協会（ACC）が存在し、15,000人以上の法律の専門家が登録しています。アメリカでは、企業の法務部門の最高責任者に弁護士が就任することが標準的であり、法務チームが経営陣に対して法律的なアドバイスを提供します。

日本における現状

日本では、2019年12月の時点で約2,600人のインハウス・ローヤーが活動しています。特に、日本組織内弁護士協会という団体が、インハウス・ローヤーの普及や活動支援を行っています。しかし、日本企業では法務部門の弁護士採用が少なく、上場企業でも未採用のケースがあるため、法務部長が弁護士ではない場合も多く見られます。

企業内弁護士

企業内弁護士は、特定の企業の社員や役員として法務を担当します。通常、法務部という部門に配置され、法的なアドバイスやコンプライアンスの業務を行います。アメリカにおいては、法務部のリーダーは「ゼネラル・カウンセル」と呼ばれることが多く、経営陣の一員として重要な役割を果たしています。日本では、従来の弁護士法が弁護士の公務員化を制限していたため、ほぼ全てのインハウス・ローヤーが企業に所属しています。さらに、インハウス・ローヤーは法律の専門知識に加えて、営業や経営の知識を持つことが求められます。

行政庁内弁護士

行政庁内弁護士は、中央官庁や地方自治体で働く弁護士のことを指します。2001年から導入された公務員の任期付き任用制度により、弁護士が公務員として活動する道が開かれ、行政庁内弁護士の数は増加しています。ただし、一般的には「インハウス・ローヤー」という表現が広く使われる傾向があります。現在、13都県および48市区町村で78人の行政庁内弁護士が常勤職員として働いています。

結論

インハウス・ローヤーは、企業や行政機関において法的な専門性を活かし、多様な役割を果たしています。彼らの活動は、最近のビジネス環境において特に重要性が増しており、法律のプロフェッショナルとしてのスキルだけでなく、経営や営業面での知識も求められています。

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