インフィニティ (日産自動車)

インフィニティ (INFINITI)

インフィニティは1989年に日産自動車が立ち上げた高級車ブランドであり、主に北米市場をターゲットとしています。最初のモデルは北米市場に特化したQ45であり、瞬く間に高級車市場において確固たる地位を築くこととなりました。

ブランドの成立と展開

インフィニティは1989年11月にアメリカで設立されましたが、その初期の販売は流通システムの不備により低迷しました。しかし、ルノーとの提携によりブランドは再構築され、加えてカルロス・ゴーンがブランドの見直しを図ったことで、デザインや販売戦略が改良されていきます。

その後、G35（日本名：スカイライン）の成功などによってブランドは成長し、200多国にわたって展開されることとなりました。特に、1996年からは中東、1997年には台湾を皮切りに、さらに多くの国に進出しています。

日本市場での展開と変遷

日本市場におけるインフィニティは、最初に登場したQ45を始めとして、様々なモデルの発表が行われました。しかし、日産はこれまでもインフィニティ名義での販売チャネルを構築することはありませんでした。そのため、スカイラインやフーガなど、日産の車名を使い続けることとなったのです。

初代Q45は日産のロゴと併用されていたのに対し、後のモデルではインフィニティのブランドを強調する方針が取られました。これにより、Q50とQ70では日産のCIが使われず、インフィニティブランドとしての地位がアピールされています。

2019年以降、インフィニティは日本市場からの撤退を計画し、これに伴い提供する車両が日産ブランドに統合されることとなりました。

欧州市場での展開

欧州市場においては、インフィニティは主に英国にあるサンダーランド工場で車両の生産を行っていましたが、競争が激化する中で販売は低迷しました。このため、日産は2020年代初頭に欧州市場からの撤退を発表しました。

インフィニティの特徴とデザイン

インフィニティはそのラインナップにおいて、ラグジュアリーかつスポーティなデザインが特徴です。ラージボディや強固なシャーシを採用し、FRまたはFRベースのAWDを持つモデルが多いため、ドライビングの楽しさを追求しています。また、ダブルアーチフロントグリルやダブルウェーブインテリアが共通して採用されており、クライアントに上質な体験を提供しています。

特に、プレミアム車両市場で展開されるこれらのモデルは、運転の楽しさや快適さを優先し、デザイン面でも知性を感じさせるスタイリングが施されています。

モデル名とネーミング戦略

インフィニティのモデル名は新しいネーミング戦略に従い、セダンやクーペには「Q」、クロスオーバーやSUVモデルには「QX」を付けた名称が用いられるようになりました。この戦略は、プレミアム自動車セグメントにおけるブランドの認知度を高めるための重要な一歩と位置づけられています。

例えば、Q50はスポーティなセダンを指し、QX80はフルサイズラグジュアリーSUVを示します。このシステムは、インフィニティブランドの進化と成長を象徴するものとなっています。

未来と継続可能性

インフィニティは今後、電動化の流れに沿った新たなモデル開発にも取り組んでいます。最近では、コンセプトカーや新型EVも発表されており、電動パワートレインや高いパフォーマンスを提供することを目指しています。

インフィニティは、日産自動車のプレミアムブランドとして、これからも世界各国での展開を続けていくことでしょう。

もう一度検索